「浮世疲れ」の解消


予定のない休日がようやく訪れる。


相方と娘に少しのんびりしてもらいながら、洗濯を引き受けて、洗って干して畳んで、と張り切ってみる。
掃除や料理は相方が進める。どんどん家の中が片付くのは爽快だ。


ちょっと風呂の床や排水溝がきれいでないのが気になっていて、昼から一念発起、カビの除去剤をかけてラップで数分覆って根こそぎきれいにする作業をやってみた。
浴槽のエプロンカバーもはずして、徹底的に掃除してみる。
買いおいてあった、大きなデッキブラシヘッドでばりばり洗い流してやると、ぴかぴかになった。
使いたいけれど役に立たなかった、天然素材系の防カビスプレーは、この状態から使えば、きっと効果があるだろう。


昼食後、今度は長らく餌やりと水の継ぎ足しだけで放置してあった水槽の世話をする。
先月はじめて行って、その場で取り寄せを頼んだ、フィルターパイプのブリッジを受け取りに、隣町の観賞魚店に行く。
小さなプラスチックのパーツひとつのことなので、今日は自転車で行ってみた。
ブリッジでガラス面からパイプを離すことができるので、給水口に取り付けるスポンジフィルターも買ってみる。
掃除ついでに、茎ばかりが目立つようになったバコバを短く切って、切片をみな挿しなおしてみた。


台所の洗い物までやってしまって、完了。


日々やらざるを得なかったときに比べると、随分相方任せで、こんなたまにしかやらなくなってしまったけれど、なんというか、生活の基本みたいな家事仕事から長く離れると、どことなく心が落ち着かず、いろいろなことが自分の中を上滑っているような感じになってくる。自分の中でこれを勝手に「浮世疲れ」と命名しているのだけれど、今日はそれを一気に解消した心地がする。


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