疑問氷解?


エアライフルはオーバーホール中なので、50mを撃つことにした。
練習のためだけに、地元の射撃場に出かけることもすっかり稀になってしまったが、それが50mとなると6月以来、ということになる。


11月の日本選手権は、仕事の関係で10mしか撃てないばかりか、同じ月にあって、いつも出ている選抜クラブ対抗戦も講習会の関係で出場できないため、試合に関しては、10m競技一本槍で今年は終わることになる。


しかし、50mを忘れてしまっているわけではなく、指導の中でいろいろ考えたり確かめたりしていることがたくさんあるし、10m競技の中でも「10mでだけ通用する技術」を追求しているわけではないから、新鮮ではあっても違和感なく、すっと練習にはいることができた。


来月の試合への備えが第一義なので、立射を中心に練習する。
久しぶりにする練習の常で、ジャケットなしの据銃をじっくりとやるところからはじめた。
SBを構えることが本当に久しぶりなので、先入観なしに違和感に敏感になれる。
慎重に据銃を繰り返すうち、間が空いたから、というだけではない、ARを構えているときには絶対にないような、ちがう種類の銃口のゆれがあることに気づいた。
出所を探っていると、ブレストサポートが右胸に強く当たりすぎているのが原因だとわかった。


銃尾に錘をつけ、サポートパーツをつけたのは、昨年のことだが、そのことで劇的にバランスがよくなり、構えるのが容易になった。
そのプラス面に気をとられて、その部分は「問題なし」と片付けていたのだが、10mでは技術の更新があってスコアが伸びる一方、50mではあらためて振り返ってみると、立射のスコアが(構えやすさと裏腹に)一貫して低迷していた。
50m競技に、禄に準備して臨めない状況が続く中でのことだったので、SBの練習不足のせい、と簡単に片付けていたが、よく考えればおかしなことだった。


このパーツを取り付けて以来はじめて、バットプレートの角度を少し反時計回りに調整し、ブレストサポートの接触を弱めてみる。
銃口の揺れはARのときと全く同じものに変わった。
撃ってみると、弾着も10mの時とそっくりだ。
これでこの後もずっとこんな感じで撃ち続けられるほど甘くはないかもしれないが、あまりにも単純な発見で劇的な変化を得たので、自分でも驚く。
試合で試す機会が、この先しばらく(来シーズンまで)全くないのが、残念である。


伏射も、少しだけ取り組んでみる。
立射と同じように、指導に当たって改めて整理した技術と照らし合わせながら、「久しぶり」であることを逆手に取って感覚を研ぎ澄まして据銃する。
いくつか小さい違和感のポイントが出てきて、試しに修正を入れてみる。
立射以上に、今回の修正が有効かどうかは怪しいものだが、撃ってみた感じは悪くない。


射撃の楽しい部分に、久しぶりに触れた満足感を抱えて、家に帰る。


[fin]