すりすりももんちゃん


相方が娘と通っている「すくすく広場」。


私は一度も足を運べていないので、「今日どうだった?」と尋ねて聞く内容が知りうるすべてなのだが、保育士さんが相談にのってくださったり、絵本の読み聞かせがあったり、日によっては町内のボランティアが出し物をしたり、手遊びやエアロビの講座があったりと、日々出かけられて、交流する場として充実しているようだ。
月に一度、同じ月齢の親子が集まって交流する機会が設けられていたり、検診時には子供を見てくれる(おもにシルバーの)ボランティアが手伝いに集まってくださったりと、聞くだになかなか心強い。


このごろよく、相方が娘に
「すりすり、いいにおい」
「いたいっ!」
「がまんがまんの、もんもんちゃん」
というフレーズで、頬ずりしたりして遊んでいる。
「何それ?」と尋ねると、娘の好きな絵本のせりふだという。
もんもんちゃん、はぷくぷくのうちの娘を連想させるキャラクターで、保育士さんによる読み聞かせでは、娘が一生懸命聞き入るのだそうだ。


「すくすく広場」は、あちこちに遊具があって、幼稚園に行くまでの様々な月齢・年齢の子供が集まっているらしい。
そのせいもあって、「絵本を読み聞かせ」といっても、「全員に」というより、一角でそれに参加する子もいる、という感じなのだそうだ。
子供たちの中でも月齢の低い、小さな子向けに絵本が読まれているのだそうだ。あまり喜んで聞く子がいない中で、娘はにこにこと読み聞かせを聞くひとりらしい。
単純なもので、そんな話を聞くと、親としては何だかうれしかったりする。


「もんもんちゃん」といい、「ポニョ」といい、このくらいの時期の、ふくふくと肥えた赤ちゃんというのは、いろんなものへ連想がひろがりやすい。
一緒に「もんもんちゃん、もんもんちゃん」とやっていたら、最近相方が何冊かまとめて注文した絵本の中に「もんもんちゃん」が入っていた。


すりすり ももんちゃん (ももんちゃん あそぼう)
その名も「すりすりももんちゃん」。
「もんもんちゃん」ではなくて「ももんちゃん」だった。保育士さんの読み方が「もんもんちゃん」に聞こえるのだそうだ。情感を込めて丁寧に読んでくれているのだろう。


一人で遊んでいると、すりすり、とやわらかなほっぺの「ももんちゃん」に頬ずりをしに、いろんな動物がやってくる。
「いいにおい」と喜んで去っていくのを見て、サボテンさんも頬ずりしたくなって、つい「ももんちゃん」に頬ずりしてしまう。
「いたいっ!」と言って、でも「ももんちゃん」はその場では泣かずにがまんする。
サボテンさんは、ごめんよ、とあやまって去っていく。
「ももんちゃん」は、ぐっとこらえてお母さんのところまで帰り、たどりつくと緊張が解けて「わーん!」と泣いてしまう、というおはなし。


かわいらしい絵を追いながら、自然とももんちゃんの気持ちの移り変わりも追いかけてしまう。


相方は、今回随分まとめて絵本を買ったようだ。いっぺんに出さず、1週間に1冊ずつ娘に見せていくらしい。


さっそく家でも読み聞かせてみた。
読み終えて、「おーしまい」と本を畳むと、娘は「もう一回、もう一回」とでも言うように、抗議の主張をしてなかなかおしまいにさせてくれない。


[fin]