現代思想のパフォーマンス


現代思想のパフォーマンス (光文社新書)
難波江和英・内田樹著「現代思想のパフォーマンス」を読み終えた。
ソシュールからサイードまで、ただ紹介・解説するのでなく「パフォーマンス」と題されているように、各章の最後でそれぞれの思想の「使い方」を実践してみせているのが本書の特徴だ。


小説と同時並行しながら、随分と長い間持ち歩いたが、退屈だったわけではなく、全般に面白く読んだ。
難波江さんと内田さんの担当した章で、若干の空気の違いがある。
内田さんの方が、「決めフレーズ」や「危険承知の断定口調」こそが「わかりたいけれどいつまでも素人」な私のような読者の理解を助ける薬であることを強く意識して書かれていて、読んでいてさらっと流れず、「へ?そうなの」、「なるほどー」と引っかかってきやすい。


もともと少しとっかかりが自分の中にあったからであろうが、ロラン・バルトレヴィ・ストロースの章が、これまで私の中にあった俯瞰像をよりはっきりと整えてもらった感じがしてよかった。


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