あわや

現在の水槽



9時ごろに帰宅して、まず熱帯魚に餌をやるのが習慣になっている。
魚のほうも心得ていて、私が家について、部屋の明かりをつけると、すーっと水面近くに集まってきて、今か今かと待ち構える。


今日も、さあやるぞ、と覗き込んだのだが、魚たちが上がって来ない。みな、底の近くでじっとしている。
おかしい。
はっ、と思って温度計を見ると17.4度。
サーモスタットを見てみると、通電を示すランプが点灯している。
・・・ヒーターの故障だ。


棚を確かめると、買い置いたヒーターがあった。
ほっ・・・。


前回のトラブルは、サーモスタットの故障だった。水温が38度近くまで異常上昇して、たくさんの魚が犠牲になった。
ヒーター・サーモスタット一体型は怪しい、とサーモスタットとヒーターが別になったものに換え、ヒーターはひとつスペアを買っておいたのだった。
教訓が生きた形になった。


すぐ壊滅的な結末になる「高温トラブル」と違って、低温の問題は少しだけ余裕がある。
ヒーターをチェンジして様子を見る。すぐヒーターの周辺にシュリーレン現象が始まり、加熱が始まったことがわかった。しかし水温はなかなか上がらない。少しお湯を足したりもしてみたが、結局、もとの26度台に戻るのに2時間以上かかった。手遅れにならない以上は、こうしてゆっくりと上昇するほうが、結果的にはよかったのだろう。


温度が元に戻ると、動きもすっかり元に戻った。
犠牲なしですんだことに、ほっと胸をなでおろす。


[fin]