落ち着かない一日


「入院しまして、そろそろかもしれません」
と職場のごく身近な人にだけ報告して、仕事に入る。


常々自転車操業状態のところに、いつ作業を中断することになるかわからない、というのが加わると、さらに一刻一刻の緊張感が高まる。
昨日は日曜日であったが、次の日から休まざるを得ない場合に備えて職場に行き、期限のある振込みなどの手続きを任せられるかたちに整えたり、翌日に締め切りを控えている作業を仕上げたり、何回分かの自分の授業について、後日原稿を送信して代行が頼めるよう、教材のデータを持ち帰ったりした。
普段は、更衣室に置きっぱなしの携帯電話も、ポケットに突っ込んで、どことなく落ち着かないままに仕事をしたが、切れ目なく夜まで仕事が続き、それが一段落すると、また改めて「万が一翌日休んでも・・・」の準備をあわただしくして、面会時間終了間際の病院に駆け込んだ。


時間帯によって痛みの強さはいろいろだが、微弱な陣痛が10分おきくらいに続いていて、今晩すぐにも生まれる、という状態ではないが、帰すにも帰せない、といった状況のようである。
あまり変化のない様子に、ほっとするやら拍子抜けするやら、病気ではないのでなんだか変なお見舞いである。


「明日の午後くらいかな」、「明日の午前だけは人に任せられなくて・・・休めないんですよね。」、「意外とこれは予定日くらいまでかかっちゃうのかな」なんて話しながら、相方の母と夕食を一緒に食べて帰った。


[fin]