入院へ


朝方に、痛みが増す、というパターンは昨日と同じ。
しかし私には、じきに収まるだろう、という予感。


髪が伸びていて、昨日の片付けの延長で今日は、自分の頭髪をすっきりさせる誘惑に駆られるが、相方からは「いつ痛みが本格的にくるかわからないから」と許可は下りず。


じゃあ明日も大丈夫か、というと、それはちょっとないような予感がして、だとすると明日以降の仕事がまだ、他の人に触れるような状態にできていないことが急に気がかりになってきた。
とんぼ返りで職場に行って、対策を講じる必要を話す。
その話をしたときには、朝の痛みのピークは(予感の通り)越えていて、「行ってよし」ということになった。


日曜の朝の街は、車もまばらで、すいすいと職場にたどり着いた。
学校開放で、アプローチにはたくさんの車が止まっていて、グラウンドにはにぎやかな子供たちの歓声。
逆にしんと静まり返った校舎を開錠して、1時間ほど作業をして引き返した。


帰宅途中に「陣痛間隔がせばまってきた」とのメール。
急いで戻ると、家で3人昼食を食べて荷物を積み込み、昼下がり、車で病院に向かった。


着くと、相方の両親も到着していた。さっそくモニタをつけて、助産師さんに診てもらった。詰め掛けた人数の多さに慮って慎重な話し方だが、ちょっと病院に来るには早かったようである。家から病院までがあまり近くない、ということや、強くはないが痛みがなくならず10分前後で繰り返していることから、入院をすることになった。


少し多い荷物を病室で整理して引き上げた。
まだ何も終わっちゃいないのだが、車で相方と荷物を搬送しなければならない、というのが気がかりなことだったので、それが済んでほっとした。
病院にいることの安心によってようやく、お産へと進んでいくことを、恐れずに歓迎してゆける気がした。


[fin]