陣痛と部屋の再整備


長いスパンだが、陣痛のような痛みが周期的にあるという。
間隔が10分を切ったら、病院に連絡して、どうするか相談することになっているそうだ。
今日は病院に駆け込むことはなさそうだが、明日はあるかも、と思う。
どのみち休みの今日明日は、どうとも対応ができる上、それ以外で家を空けることもできない。
実家でたっぷり時間がある、なんて状況は本当に珍しい。20数年前にこの家に引っ越してきて初めて、っていうぐらいじゃあないか?


気がつくと、改築後物置状態になっている私の部屋の片付けを始めていた。


やり始めて思ったのだが、過去にこの部屋で自分がやった片づけを思い起こしながら、随分「片付け」が上手くなったなあ、と自分に感心した。
これも立派な技術だ、と思う。
「捨てるのが嫌い」なのは相変わらずだが、捨てるのが嫌いだから片付けるのが下手、とならず「捨てるのが嫌いな人の整理術」のようなものが出来上がってきたのだ。
「『捨てるのが平気な人』の整理術」に比べると、難度が高いので、身につけるのに年季がいるが、「捨てるのが下手だから整理は上手くならない」と思わないほうがいい(この辺はちょっと相方を意識して書いている感じ)。


今、あるいは今後出番のありそうなものをいい場所に、記憶のための、あるいは将来的な転用のためにあるものを周辺へと、配置を整えなおし、不要になったものにしかるべき移動を施すこと8時間あまり、完全に機能的な「部屋」として復活した。


技術の要は、分類の判断力と、大胆な配置転換を厭わない、三次元的なセンスかしら、とちょっと自己評価甘めで、きれいになった部屋を満足げに見回した。家族にも好評で、これは相当に気分のいい仕事となった。


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