ネットワークシステム研修


朝から夕方まである2日がかりの研修である。
あやふやにしていた部分について、うまく説明してもらえて助かった点がいくつかあり、私にとって収穫のあるものだった。


連日、情報漏洩に関する報道が繰り返され、個人情報管理について非常にうるさくいわれるようになった。
委員会からは事件のたび「きっちり管理するように」、「あれをやってはいけない」、「これはやってはいけない」と指導文書が発されている。しかし肝心のハード面の供給はなんらなく、ただ、ことが起こったときに学校の責任を問うて当事者を処分できるように、布石だけ打たれているような感じがする。
この研修も、その布石のひとつ、という印象が少しする。


成績や帳簿類は、一切インターネットに接続された機械を使って処理してはいけない、というのだが、イントラネットが作れるような機器がかわりに用意されたわけではない。
「学校情報ネット」というネットワークに接続することを前提にしたPCはせっせと自分たちで予算をつけて学校に配備してくるのに、そのネットワークの安全は保障しないので「それは成績処理に使うな」というわけだ。


はっきり言って、ネットワークに繋がった機器を使うから情報漏洩しているわけではない。そういう印象こそ与えてはいるが、問題はそこにない。それを知りながら、自分たちに火の粉がふりかからないようにするためだけにこういうことを言っている、と私は感じる。外部から招聘された今日の講師も、講義後の質問に対する答えの中で、委員会の方針がまったく根本的な解決になっていないこと、ただ現場の利便性を落としているだけではないか、ということを述べていた。


方針に逆らえない以上、各校はなけなしの予算枠の中から、他に買うものを削ってPCを勝手に買い、教員が自前で何とかするしかない。
わかっている人ほど、そのおかしさに首をかしげながら、黙々と自分たちで対策を進めていく。
私の職場でも、今年中に、かき集められた中古のPCで組み上げたイントラネットが始動する。来週はそのテストと説明会用のマニュアル作りにも追われることになる。


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