母校


放送大学で単位を取っている。
昼から大阪センターとなっている大学のキャンパスに行ってきた。


私は、この敷地に6年間通学していたのだが、もう20年近く昔のことになる。
放送大学の「てびき」に「事務室は6階にあります」とあるのを見て、「そんなに高い建物はなかったはずだが…」といぶかしんで行ってみたのが、美しい建物が出来ていた。そんなに最近のことでもないらしい。
すでにない過去の校舎の内部を思い起こしながら、位置も微妙に変わっている新しい建物の周囲をうろうろする。
古い建物がケーキでも切り分けるようにして、西の一角だけが残されていた。そのおかげで以前の校舎の位置をはっきり思い出し、ようやく落ち着いた。


文房具を買おう、と購買部や食堂のあったところに行ってみると、私が中学生時代から使っていた建物がそのままに営業していた。周囲の風景は全く変わっていない。
当時からすでにぼろぼろだったものが、20年たってもそのままにぼろぼろで存在することが驚きで、ちょっと可笑しくもあったが、同時になんだかうれしかった。
夜間向けの夕方の営業時間にはまだ間があったので、買い物は出来なかったが、シャッターも、コピー機の位置も変わっていない。


単位取得に向けて、VTRを観る必要があるのだが、仕事との両立は限りなく難しく、状況は「瀬戸際」と言っていい。今日はなんとか3本まとめて観てみたが、これから休みの合間にここへ通う必要がありそうだ。
状況の厳しさはともかく、ふたたび恥ずかしい中高生だったころの気持ちを楽しみながら、あの場所に通うことにしよう。


[fin]