マトリックス


昨日に引き続き「未来におきたいものは」
未来におきたいものは―鶴見俊輔対談集


9.11以降特にアメリカと言えば、むき出しの力のイメージが強く、科学や経済に関する知見を期待することはあっても、文化的なものについては文学の他に見るべきものなどないようについ思ってしまったりするのだが、「未来におきたいものは」における西島健男との対談「私の中のアメリカ」の中で、1850年頃の「アメリカのルネサンス」であらわれたエマーソン・ソロー・ホイットマンホーソンメルヴィルのエマーソンとソローに端を発してプラグマティズムが育ってゆく過程や「はじめに文字ありきでなく、分類不可能なmatrixを思考の起源におく」ということの根本的なヨーロッパ起源の哲学との違い、日本的なものとの親近性についての記述に、少し驚かされた。


プラグマティズム、というと、単純に「実用主義・行動主義」といった言葉に置き換えてしまって、哲学じゃあない、なにかもっと軽いイデオロギーのようなものなんだと、勝手に決めつけていたように思う。


機会を見つけて、もう少しこの辺のことに触れられるように、これから気にかけておこうと思う。


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