イギリス


ライフスタイルの本・・・というところで井形慶子さんの本のことを書いたけれど、その後(他の本を何冊か挟みながらですが)、江国香織さんの「東京タワー」、大崎善生さんの「9月の4分の1」、梨木香歩さんの「春になったら苺を摘みに」・・・と新潮文庫の新刊を立て続けに読みました。


東京タワー (新潮文庫)
九月の四分の一 (新潮文庫)
春になったら莓を摘みに (新潮文庫)



物に愛着を持って接し、自然とともにあることを大切にする、英国風のライフスタイルのことを余韻として残したままに過ごしていたのですが、読んでいると偶然にどの作品にもイギリスとの関わりが登場し、それぞれにとても好ましい作品のトーンを醸し出していてうれしくなりました。


「東京タワー」では都市空間から意識を彷徨い出させるセレクトショップのグッズの出所として、「9月の4分の1」では最も印象的だった「ケンジントンに花束を」という短編の舞台として、「春になったら・・・」では、長い時間軸といろいろな場所で起こるできごとを見つめる視点の拠りどころとして、イギリス的なもの、イギリスを経て培われたものが光を放っていました。


いろいろなことで追い立てられて、ごうごうといっている頭を、ふと休めることのできる時間を縫って、「この感じ」をゆっくりたどっていきたいな、と思っています。


[fin]