夏の日常


夏休みも、8月に入るとクラブ活動だけになり、教員の動きは休暇らしく、デスクワークに専念する姿が多くなる。
間際まで後回しにできる仕事は、置いておける時期なので、普段なら絶対にできない仕事から敢えて手をつけるようにする。私の場合そういう仕事の筆頭は、子どもを優先しなくていい時期にしかできない、PCのメンテナンス、ということになる。
情報教室は、メインサーバーと別に部屋の端末だけ統括するサーバーが挟んであって、起動するたびにアカウント単位の情報をリセットするシステムになっている。こういうのだと、ディスクイメージのようなのをひとつ作っておいて、クライアントのをそれに置き換えていく、という作業でたくさんの台数のマシンを一気にアップデートしたりできる…らしい。情報教室のはリースマシンなので、業者が時々来ては、そんな作業を1日かけてやっていく。
私が相手にする、リースでない校務用のネットワークや、買い切りの生徒用の実習用端末でも、同じようなことができるのかも知れないのだが、そういう世話の仕方がわからないし、どうもそういうふうにしない事情もあるらしくて、こういう若干ながら時間に余裕のある時期に、1台1台世話をしていくことになる。
職業科の端末PCは、すべて買い取った機器で、更新のあてがない。何というか、ずっしり双肩にかかっているようなところがあって、気が重い。どんどん時代遅れになるし、老朽化も進んでいくから、なおのことだ。なんとなく「私がやってダメなら仕方ない」、という風に見てくれる空気があるお陰で何とかなっているけれど、結構しんどい状況である。


実習先の開拓手伝いなど、時間的には散発的な業務の傍らで、この夏はせっせと学科のPCのアップデートを行い、簡単にメンテナンスツールをかけておいた。長期休暇も、まとまった時間が取れない、ということが続いていたので、アップデートは1年半ぶりくらいで、マシンによっては100以上の更新ファイルがあり、うんざりするほど時間がかかった。アップデートプログラム自体が動かないくらいに傷んでいるものも幾つかあったが、これにはこの間の「用途替え」PCの世話での経験が生きた。


数日がこれで吹き飛んでしまったが、気がかりのひとつが片付いて、少しほっとしている。


[fin]