絵本を読む娘


このごろ娘は、弟に絵本を読んであげたい、らしい。いや、相手がだれかということに限らず、「読んでみせる」ということをやってみたくてたまらないのだろうか。


義父が、週に1−2度来てくれているのだけれど、娘が催促することもあって、毎回のように何か1冊増えていくので、絵本はずいぶんたくさんになった。
[rakuten:bsd10000:10007538:image]
福音館書店が月間で「こどものとも」・「かがくのとも」など、1話1号のいろいろな冊子を発行していて、主にそれを買ってくる。次々と現れる新作はどれもなかなか面白くて、私たちも「へー」と感心しながら楽しんでいる。
新しいのや、お気に入りは、それこそもう何度も、繰り返し繰り返し、読んでくれるように求められて、優しい義父はどこまでもそれに付き合ってくれているらしい。


娘は、字は教えていないし、数字のほかは読めないのだけれど、絵と音を結びつけて、各ページを覚えている。登場人物がセリフとして語るシーンがあったり、言い回しの面白さをねらったような作品が特に好きである。中でも「おかしなおかし」は、一言一句覚えて、得意そうに読んで見せてくれる。「のどがカラカラ、クラッカー」とか「ふわふわマシュマロ、スマッシュきめます」なんて語呂のいいことばと、ユーモラスなお菓子たちがスポーツするおなしな絵柄もあって、娘に読んでもらうのは楽しい。弟は、一緒にしばらくは嬉しそうに聞いているけれど、ちょっとすると絵本に突進して触りたい一心になってしまうので、娘の邪魔をしないようにガードしがてら、娘の周りを一緒に転がりまわる。


いってらっしゃーい いってきまーす (こどものとも絵本)
一言一句まる覚え、というのではなく、それぞれのページでその内容を「おはなし」する、なんてこともしてみせて、驚かされた。そんな読み方をする本として一番のお気に入りは「いってらっしゃーい、いってきまーす」という作品。これは、医院の待ち合いにあったのをよく覚えていて、次に行ったときに真っ先に取りに行ったりするのを見て、それならば、と買ってきたものだ。
私が先に読まされて、次に自分が読んでみせる。結構なページ数だ。「起伏に富む」というよりは「淡々とした日常を切り取った」お話なのだけれど、「保育園」に行く女の子の主人公には、娘なりに共感や思い入れがあるのだろう。ちゃんとストーリーをなぞって、印象的なフレーズを押さえて語ってくれるので感心する。


絵本やままごとに次々と新鮮な面白さを感じてくれているようで、嬉しい。テレビなどの、強い「映像刺激」を徹底的に避けているからか、もともと素朴な質なのか。
喜んだり驚いたりする自分を親バカだなあ、と思うけれど、いつまでそんな気持ちを味わえるのかはわからない。満喫しておこうと思う。


[fin]