炎天下の作業日


今日は、保育園の作業日だった。
昨日も係会の作業があって相方が保育園に行ったのだが、その「屋内での夏物品の仕分け」も相当に暑かったようだ。今日もまた昨日に劣らぬ快晴で相当な陽気が予想された。しかもこちらはずっと屋外だから、長袖に長い裾のズボン、首に巻くタオルとスリップレスの手袋、つばの長い帽子、水分補給用のペットボトル、と装備万端に身構えて臨んだ。


グラウンドから側溝に土が落ちる、というので、側溝沿いにすでに積んである1層のレンガの上へ、さらにもう1段カラーブロックを追加する、というのが今日メインの事業だった。草刈機やハサミ類を使って除草をするチームあり、土留めの仕切りを立てる準備をする者あり、新しく2mクラスの花壇をつくるチームあり、とあちらこちらへお父さんたちが展開する。


私は、ブロックを追加する側溝脇の除草作業。これが済むと3人のチームを編成されて、道路側へ流れ出る土を防ぐブロックを立てる作業に当たる。道路沿いとはいえ、そこは雑木林の一角といった趣だったので、下まで土だろうと思い込んでいた。掘ってバラスを敷いて均し、簡単な下地を作るところからやるのか、こりゃ大変だ、と身構えた。ところが藪を払って掘り進めてみると、コンクリートで舗装された面が出てきた。自然の力は、ずいぶんあっさりとこういう人の作ったものを覆い隠すものだな、と驚いた。作業としては工程が1つ省けて助かった。こねたセメントを各種の左官鏝で盛っては大きなブロックを置いて、土留めを作っていく。何分にも私を含め3人ともちゃんとこういうのをやるのは初めてで、ちゃんとできているのかどうか今ひとつ確信の持てないまま汗を流す。「こりゃあ、大人の泥遊びだなあ」なんて言いながらも、出来上がりがきちんとしていないと悔しいので、見た目が整うように作業は真剣そのものである。
やれやれできたと思ったら、次に私は花壇づくりに回されて、鎌とヘラ、ブロック・バラス・セメントが渡された。奥行き2個・横幅7個・縦2段という大まかな指定と、要所の指南だけ受けて、あとは任される。やったことないのにいいんかいな、と思いつつ、自己流でとりかかった。すでに生えている芝や植木を除きながら溝を掘って、適当に水平を出したらバラスを敷いて、そこへ固めのセメントを挟みながらブロックを並べたり積んだりしていく。セメントとブロックは、ただお互いに挟まりあっているだけで、ひっつくわけではないので、これでちゃんとできているのかが相当に不安である。


怪しげながらも一応できあがったところで、もう正午が迫っていたが、側溝のブロック積みはまだ作業が残っていて、引き受けたお父さんのひとりが黙々と続けてられた。どこまでできたら終わりなのだろうと、反対側の一番端へ行ってみると、今回ブロックを追加するときの土台になる第1段さえなく、土がこぼれているような状態だった。しまったな、と思ったが、見てしまったらちゃんとやらずにいられない。そこに取り付いて、草を刈り直して1段目のブロックを積む下地を作るのに取り掛かった。


その内に休憩になり、そうめんの昼食をいただく。これで一応「作業」は基本的に終わり、ということになるのだが、やり残しのあるお父さんだけは、午後も続きをすることになる。やりかけてしまったものは仕方ない。結局、午後3時前ぐらいまでかかって、園舎間際の側溝脇を一番奥まできれいに仕上げてから、相方が注文した山のような夏の物品を車に積み込んで、帰ってきた。


さすがにかなり疲れた。ただ、装備のおかげで、猛烈に汗はかいたものの、体のダメージは最小限で済んだ気がする。残念ながら、首に掛けていたタオルとシャツに少し隙間ができていたらしく、うなじの下にツキノワグマの模様のような形に真っ赤な日焼けができてしまった。
相手がセメントなので、今日やったのがどのくらいのできあがりになるかは、後日にならないとわからないのだけれど、できることが増えたという手応えと、肉体労働ならではの達成感がちょっとあって、悪くないな、とは思う。


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