あたたかくなって

水槽の緑



今日は、今年はじめて保育園行事の「親子リズム」があった。
昨年最後の「親子リズム」で、
「ああ、いよいよこのホールでは、こういう行事もできないほどの寒さになってきた」
と、冬の到来を思った記憶があったから、行事のスタートそのものが、あたたかくなったことへの感慨をともなう。


これまで、よくわからずに言われるがままに参加していたのだけれど、春から秋にかけて5回ほどかけて「積み上げる」ようにして行われている行事だということを今回初めて理解する。
なるほど。毎回のちょっとした構成の違いや、親の出番の変化は、ただ子供の年齢だけによるものだけではなく、親に「身につけさせる」ための、プログラムの工夫によるものだったのか。


そういうことですら、気がつくのに2年もかかっていて…、そんな親に気長に付き合っていかないといけない保育園の側には多少の同情の念も覚える。
「第一回目」の今回は、だから、「家でも一緒に簡単にできる」がテーマになっていて、肩車や手押し車あたりがクライマックスになる、とても一般的でわかりやすいものだった。


お義母さんに握ってもらったおにぎりを、帰りの車内で頬張ってお昼ごはんにした。


家では、昼寝明けの娘と、水槽の水草の手入れを一緒にした。
前景に植えているアヌビアス・ナナはゆっくりとした成長を続けていて、ずっと調子は変わらないが、後ろに植える有茎水藻についてはこれまで、色々と苦難の試行錯誤があった。
バコパを使うようになってようやくそれも落ち着き、今はとても調子が良い。2週間に1度くらいでトリミングしてやらないと、ジャングルのように茂ってしまうほどだ。
「トリミング」では、伸び過ぎた水草を葉の少なくなってしまった根元で切り、間延びした茎の部分を切って挿し直す、という作業をする。
根元で切り出した水草をトレイに置いたり、下に滴った水を拭いたり、というのを手伝ってくれた。


水面までに高さが収まり、下の方に葉の豊かな部分が茂るようになると、ぐっと水藻が明るくなる。
15分くらいで全部の作業が終わって、一緒に
「きれいになったねえ」
と眺める。


いじめっこのシルバーチップテトラの親分が元気な間は、新しい魚を足さない、と決めていて、そのため、緑豊かな中にエビやオトシンくんや石巻貝、そしてわずかに4匹のテトラが散在して、ちらちらと見え隠れする、本当の自然の水面のようになっている。
ちょっと寂しいかな、と思うこともあるけれど、これはこれでなかなかいい。


常春の水槽も、今だけは外の季節を映しているかのようだ。


[fin]