なかなか予定どおりには


代休の月曜日。
平日の休みは、なかなかないから、週末ではできない手続きなどを済ませるのに貴重である。


ずいぶん前から、試合のスケジュールなどと合わせて、この日に火薬等譲受許可を申請することにしていた。
来週末の50mの予選で使う弾もないから、許可をもらったらすぐ買いに行こうとも思っていた。


法改正を境に、消費計画書なども出さないといけなくなって、ただ申請書だけ用意すればいい、というわけにはいかなくなった。
朝から書類を整えて警察署に電話すると、
「今日は担当者が出ているから、受付けはちょっと…。」
という。


…困った。
来週には銃器の一斉検査が、火曜日の13時から16時、という、いったい市井の人間が平日の日中に何をしていると思っているのか、と怒鳴りつけたくなるような予定で行われることになっており、そこで休みを取るのにすでに四苦八苦しているところである。
わざわざ平日に休みを取ってまで出向くのだから、そこでも弾の許可申請くらいさせてくれるのが本当のところだと思うのだけれど、「一斉検査では係員が出払うから」と、例年そこでの許認可事務は一切受け付けてくれない。


「他の日にしていただけませんかね。」
「そうそう平日に仕事を休んでられない、ということがわかりませんか。」
どうしたってこちらの口調は恨みがましくなる。
向こうは困って「今日は事前にお約束されていたんですか」、なんてしゃらっと言うけど、実際のところは「明日お願いします」と言ったって、「急に明日所要が入るかもしれませんから、前日に言われましても」なんて言って、特に予定がない日の前日でもろくに約束を取り付けちゃくれない。だから当日の朝に電話するようにしているのに、こういう話の流れになったら、いかにも要望に応えているかのような言い方をするから、こちらも頭に来る。
「来週も一斉検査でまた休みを取らないといけなくて困っているんです。じゃあ、そこで申請も受けてくれませんか」と押してみるが、「それはできません」と、やはり頑なだ。
「お昼休みにでも、ちょろっといらっしゃればいいじゃないですか。」


近所で働いていて、休憩時間は外へ食べに出たりなんかもできて、自由が効くのが当たり前なんだろうか。
朝の通勤列車の様子を日々見るにつけ、とてもそうとは思えないけれど。
結構な手数料を払いながら、都合の方まで押し付けられる感じで、なかなか辛い。
例えば来週の「一斉検査」の日は、一旦出勤してから検査のために昼前に1時間以上かけて一度帰宅し、そこから検査に出掛けて、終わったら銃を片付けに帰って、再び15時半からの懇談会のために、終礼に間に合うよう、再び1時間以上かけて職場に戻るのだ。


それでも必要なものは必要で、背に腹は変えられない。譲受許可申請は、朝の3時間に授業が入っていない木曜日の朝一番に出向くことにする。朝一番の会議や朝のクラス業務については、頭を下げることにする。


なかなか予定通りには運ばない。


[fin]