盲腸

公園にて



父が盲腸になった。
先週末の不調は、腹部の痛みに症状が変化し、あらためて別の医院で診断を受けた結果、虫垂炎とわかったという。
初期の症状であったので「薬で散らす」ことになり、現在は午前と午後の2回抗生物質や抗炎症剤などが入った点滴を受けている。
診断を受けた当初丸1日あまりは、砂糖と塩を溶かした水だけで過ごし、その後、重湯、おかゆを経て、ようやく野菜の煮物やご飯、卵焼きなどを食べてもよくなったという。


今朝は、このごろ休日恒例となった観があるが、娘とふたりで竹取公園とその近くの図書館に出かけた。
昼過ぎに帰ってきて、昼寝をさせた後、実家に見舞いがてら、夕飯をいただきに行く。


父は、少し用事をしては、昼でもときどき横になって休んでいるようだ。父は食べられるものが限られるが、それでは物足りないからと、母は自分の分だけ別に数品作っているらしく、一緒にそれらが食べられる私たちの来訪は大歓迎だと言う。


着くともう、父だけ先に食事は済ませていて、すでに二階に上がっていた。
娘は着くや否や、「お腹すいた、ご飯食べる」、と食卓についてしまった。成り行きでそのまま夕飯になった。
うちのご飯は、ややもすると「精進料理」みたいになってしまうからか、娘は実家に来るとご飯が楽しみらしくて、家でよりも食べ方がぱくぱくと勢いよく、そのまま最後まで食べて、「デザートは?」と調子のいい要求をする。


にぎやかな声を聞きつけて降りてきた父は、ちょっと元気がなかったものの、見た感じはあまり変わりがなく、ほっとする。
こちらの「おじいちゃん」には、ときどき怒られたりもする娘だが、大喜びで相手をしてもらっていた。
娘の要求に、いつものようには応えられない感じだったけれど、楽しそうに応じている姿を見て、安心した。


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