新しい年度を迎えて


研究紀要100ページ弱。
これは、たくさんの人に書いてもらったさまざまな書式の文章や図表を統一の書式に整えて目次を作り、ページ数やヘッダを振って、最終的に1つのPDFファイルに纏め上げる作業である。テーマ全体について解説する記事や後記を書いて、紀要としての体裁を完成させるのも、私の仕事だ。


個人情報の取り扱いに関する校内規定や情報機器の使用法について行う説明会の資料40ページ。
年々、その構成を複雑に変える、校内のネットワーク。
国や府がそれぞれ独自に(すべて「特別予算」で、やや行き当たりばったりに)繰り返す「整備」のせいで、4つの独立するコンピューターネットワークが校内に混在する、という、明らかに異常な状況になっている。府下すべての学校に対して、共通してこれらの「整備」が行われているわけで、状況の詳細はそれぞれに異なりつつも、どこもが似たような複雑さなのだと思うと、同じような役割を担わされている他校の「情報管理者」には強い同情と共感を抱いてしまう。
詳細な説明はあきらめてしまう学校もあるだろうなあとも思うが、私は半ば意地になって、管理規定やネットワークの構造や情報機器の使用方法等を、全て網羅する「説明書」を作り、職員に説明会を行う、ということを、この10年ずっと「年度当初の仕事」としてやり続けている。
今年は、例年以上に変更点が多く、これまでの説明書の書き直しでは追いつかず、章立て自体をやり直さざるを得なくなった。


昨年度末も同じように呻吟していた。
何もなくても新年度の準備は、クラス担任としても教科や学科の主担当者としてもとても忙しいものである。
30日ぎりぎりに紀要の方は何とか片付けた。説明会は4日に行われる。明日明後日が土日なのが恨めしい。4月4日とは実質、新年度2日目ということだ。
どうにもならない会議のほかは用事をえいっと押しやって、せっせとやるが思うほどには捗らず、印刷や製本までと考えると、気が遠くなりそうになる。


今日はどうにもならなくて、職場に遅くまで残り、必死に作業をした。
なんとか印刷原稿の完成に漕ぎ着けて、よろよろと職場を後にする。
頭の芯が痺れたようになって、目がちかちかする。


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