仕事に戻る


震災に対して何もできないまま、休日を過ごすのは、重苦しく、身の置き所のないような心地だった。
日中は基本的にテレビをほとんどつけず、子どもたちが寝付いてから、こっそり観る。情報はおもに新聞とネットで集める。
大して何もしていないのに、身体も心も重かった。


いまは忙しく働くことしか、できることはない。
震災に苦しむ人たちを直接に助けることにはなっていないかもしれないが、世の中を支える役割として自らに割り振られていることを、一生懸命やる以外に、何ができるだろうか。
休日として一日を過ごした昨日より、そうやってすべきことに追われた今日は、どこか肯定的に一日の終わりを受け止められる感じがする。
物資を運び込み、救援に向かう方々に思いを託し、ただ祈るような思いで夕刊の記事を読み返す。


全日本選手権関連の人たちは、大会直前で多くの人が現地にいたにもかかわらず、ほぼすべて無事が確認されたと発表があった。
ニュースに伝え聞く状況からすれば、奇跡的なことだと思う。
昨晩遅くから、ぼつぼつと北陸回りで帰り着く人たちが出てきている。
バスが細々と人を運び出しているようで、山形から空路、新潟から鉄路・陸路、というルートで動いているようだ。


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