家に戻る

帰ってきた息子



前夜は遅かったし、ちょっと飲んだので少し心配だったけれど、朝は普通に目が覚めた。


身体の芯が重いような感じがするのは、アルコールや寝不足のせいだけではなさそうだ。
ただたくさんの人に会った、というだけでなく、その一人ひとりが自分にとっては何かしら自らの20年を省みることを問うてくるような存在だったのだから、処理しきれないまま大量に放り込まれたデータが、ずっしりと底に堆積したような具合になっている。


昨夕、実に2ヶ月ぶりに、相方と娘が家に帰ってきた。
きれいに片付けながら使ってきたから、前の晩にセットしておいた洗濯物だけ干してしまって、ゴミ出しをし、風呂を洗ったら準備は完了だった。
積んで帰ってくることになるたくさんの荷物のために、車を空っぽにして実家へと向かった。


相方の実家には昼前に着いた。
前回、ひとり車で帰ったときに、衣類や乳幼児用のスライダーなど随分積んで帰ったはずだったが、玄関先に積まれた荷物は、またまた相当なものだった。
昼食を食べたら、早速荷物を積み込んで出発した。


帰りには、私の方の実家にも立ち寄った。翌日から、保育園の送迎の間に息子を預かってもらう段取りを整えて、夕飯をご馳走になった。
まだ娘が元気に起きているうちに帰宅した。
息子にはこれが初めての「我が家」であった。


今日は、お姉ちゃんの送迎の間、はじめておばあちゃんと「お留守番」をしたはずである。
4人での暮らしがいよいよ始まった。


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