年末


娘の相手をして家事を手伝うくらいで、通夜と葬儀の準備に慌しい家を、裏でささやかに支えるだけの2日間だった。
年末の独特な時期であったが、たくさんの親族が集まり、相方の実家を中心に、温かないい式を執り行うことができた。
義父母たち、その中心にいる人々にとって夜昼を問わない、忙しい2日だったのだけれど、過ぎてしまうと、中陰の飾りとその中央で優しく微笑む祖母の遺影だけが残った。今日は本当に静かな夜を迎える。


たくさんの従兄弟たちの中ではしゃぎ、なかなか静かにじっとはできなくて、親にとってはハラハラもののエピソードをあらたにいろいろ残した娘。
それまで夜行性で、明け方からお昼ごろまでを除いては静かに眠るということができないようで、どうなることかと心配していたのに、2日間の式や法要の間じゅう静かに過ごして、まったく私たちを困らせなかった息子。
親族のたくさん集まるところでは、子どもたちが特に強い印象を残す。


3歳も間近の娘は、納棺には間近で興味深々と仔細を眺め、骨上げでは、ひいおばあちゃんが骨だけになってしまうことに驚きを見せた。


97歳だった相方の祖母については、葬儀のために引っ張り出されてきた古い写真などで、初めて知ることがいろいろあった。
細くて長い時間を実感するとき、自分がそれらと繋がりあっているのは、ほんのわずかな偶然によっていることを同時に実感する。その何とも「儚い」感じが、いろいろなことに対してすっと謙虚な身構えにしてくれる。


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