クリスマスイブ

翌朝プレゼントを見つめる娘



今日で生徒たちは、学校が終わりになる。
ただ、2期制なので、最終日の今日は「終業式」ではなく、普通に授業をする。
昼食後に生徒を帰して、3者懇談を2件。
今日が、月末の様々な統計が締めになるので、懇談後にはそれに取り掛かる。
それが片付いたらすぐ、懇談の記録も記憶が薄れないうちに仕上げないといけない。
すっかり夜になっているが、最終日の今日欠席した生徒には、冬休みに向けて出された大量のプリント類をどう届けるか手配しないといけない。
やっと数件の電話をかけ終わると、駆け込みでHPの更新依頼もあり、アップロードのできるPCのある部屋に走る。


事情があって、ここひと月ほどクラスをひとりで切り盛りしている。
目の前に仕事が現れた瞬間の「大変だー」と思っているとき、すぐに手を付けておかないと、はっとわれに返ったとき、どっと重荷に感じて動けなくなるんじゃないか、という怖さがあって立ち止まれない。


今日しなければならないことに目処がつくと、進路指導部の仲介で頼んでおいたシュトーレンをかばんに放り込み、なんとか娘が寝てしまう前に帰りたい、と職場を飛び出す。
おかげで、風呂上りの娘に会うことができた。
生徒が来る最後の日でもこんな時間にしかならないのか、とそれでも相方には不興だった。


息子は、夜行性を発揮していて、ここのところ朝から午前中いっぱいくらいが最もよく寝る時間帯で、逆に夜は目が冴えて、下に置けば怒って泣くし、基本的におっぱい、おしっこ、うんこの無限ループ、という具合になっている。


今晩は、クリスマスイブだ。
娘からは、「プレゼントはお手紙とケーキがいい」という一貫した強いリクエストだった。
義父が、「サンタクロースからの手紙」というのを偶々頼んでくれていて、一昨日それが届いている。
「あとはケーキやな」
という口ぶりがなんともおかしかった。


私の持って帰ったシュトーレンダンボールで手作りしたツリーの下にそっと置いた。
先日アップルから、iPhotoで作った娘自身の「0歳の1年」を纏めた写真集が届いた。それが、私たちから娘へのプレゼントである。
写真集は、作った私自身にも、見た大人たちにも大満足の出来だった。
娘は、喜んでくれるだろうか。


[fin]