絵本と娘


しばらく補充ができていなくて、「ぐりとぐら」など今の娘よりもまださらにちょっと高い年齢を想定したものを除くと、ずらっとならんだ絵本のほとんどで対象年齢を超えつつある。
「ぴったり」の絵本に次々めぐり合うと、どんどん読み続ける習慣ができてゆく、というので相方が少しずつ絵本を買って足してみた。


そういうものなのかな、と思っていたら、新しく加わった「かいじゅうたちのすむところ」(寝かせてあった)と「14ひきのあきまつり」(相方がいくつか買ってきたなかのひとつ)
に夢中になって、繰り返し、読んでほしいと訴えるようになった。最近あまり手に取らなかった小さい子向けのものも掘り起こしてくるようになり、そういうものなのだなあと感心する。
14ひきのあきまつり (14ひきのシリーズ)
かいじゅうたちのいるところ


どんなものでも、子どもが読みたいと思うものを、繰り返し求めに応じて幾度でも読んであげるのがいい、ということだが、子どものこころの琴線にふれるものと、そうでないものの境界が、どのあたりにあるのかは、わかるようなわからないようなところがある(ま、どんな本でもよろこんでいるようなんだけれど)。相方も、絵本について良心的な紹介をしているとおもわれる本や雑誌の情報を頼りながら、絵本選びをしているようである。


出てくる言葉とシチュエーションをいきいきとつなぐような場面があったり、リズム感があってことばをおもしろく感じられるものだったりすること、また、一生懸命見ようとする、こどもの期待に(様々な形があるけれど)応える絵であること、などは大きな要素のようだ。


1つの本の楽しみ方もどんどん変わっていき、こんなにもよく内容を覚えているのだなあ、と驚くことがある。
このごろは、本の中の台詞のような部分をいろいろ引用するのがおもしろいらしい。
「しょうがないなー」は、「ぞうさんとねずみくん」で、ぞうさんが花を踏んづけてしまったりするのを嘆くねずみくんのせりふから。
「だめか・・・」は、「ぴょーん」の中で唯一とぶことができなかったカタツムリの悲しそうなせりふから。
「あ、雨だ!」は、プーさんがロビンにはちをだまくらかすために言わせるウソのせりふ。
ぴょーん (はじめてのぼうけん (1))
ぞうさんとねずみくん (ねずみくんの絵本 10)


繰り返し聞きたがって、耳でかなりの部分をそらんじているようで、思い出したように取り出す小さな子向けの絵本は、自分でページをめくりながら「読んで」みたりする。あやふやでわからないところまで来て、「読んでー。」となったりする。自分の好きな場面だけ開いて、そういうことをしたりもする。


ひとつの絵本をいろいろな仕方で楽しんでいくこどもの姿に、へえー、と感心するこのごろである。


[fin]