娘のアルバム


娘は、今よりもっと幼いころから、人の映っている写真が大好きである。
相方の父であるおじいちゃんは、いまでも「写ルンです」などのインスタントカメラを愛用していて、孫の写真もよく撮っては分けてくださる。
娘は、保育園の行き帰りなど、車中においてある娘自身や姪っ子たちの写った写真を引っ張り出しては、いろいろな説明や話をしてくれる。


第2子の誕生が近づいてきて、(おもにデジタルデータのままの)娘の写真を今のうちにある程度整理しておかないと、後で次の子のと同時に一から何とかする、というのは大変なんじゃないか、という心配が強くなってきた。
相方は、子ども自身が気軽に触れるようなアルバムというのを用意してやりたい、ということを前から言っており、どんな風にするのがいいか、折りにふれちょっとずつ相談していた。
プリントしたものをフエルアルバムなどに貼っていったのなんかが、自由度も温かみもあるのだけれど、作業が相当に大変だし、手のかかった1点ものは、小さい子に気軽に触らせるのに抵抗感があるかも、という話になっていた。


第一子だけに、結構マメに写真を撮っていて相当な量がある。どれを紙媒体に起こすか選別するだけで結構な作業になるので、それさえできたら「完成」となるような方法にしたい、と思った。


日付名のフォルダごとにデータを保管する、という素朴な管理方法で写真は取ってあるのだが、少なくともざっと見渡すのにはiPhotoを使おう、ということはこの間のアップグレードで決めていた。フォルダをまとめて選んで「読み込み」をするだけで、フォルダ名の「日付」が「イベント名」となって一気に取り込める上、イベントごとにアイコンとして表示されるものを、マウスで左右になぞるだけで時系列で中身がざっと見えるようになっており、大量の写真データを見渡すには相当便利な仕組みになっているからだ。


iLife '09
さらにiPhotoには、フォトブックを作成する機能もついており、そのままオンラインで発注するときれいな本に仕立ててくれる。iLifeを買った時にはもう、アルバムのことがすでに気がかりになっていたので、ひそかにこれにも目をつけていた。あらためてWebでその評判を探ってみると、(まあApple相手なので毀誉褒貶いろいろ出てきたけれど)送料などがかかるものの、基本的には20ページ3000円台でできるという価格面や、その作りの相当に本格的な様子など、私たちとしては全く問題はなく、いいんじゃないか、という結論になった。


ためしにまずは、誕生から1歳まででひとつ作ってみよう、と昨日作業に取り組んで見た。
制作作業は軽快かつ明瞭で、なかなか楽しい。写真を選ぶところはやはり手間なのだけれど、懐かしさや成長したことへの感慨から、「アルバムを作っているんだ」という実感の方が勝る感じであった。
20ページに納めよう、という「枠」の意識が働くのもいいところだと思った。あれも、これも、とならず、構成を考えながら結構厳しく取捨選択することができる。


夜には一通り完成させることができた。相方に見せてみるとなかなか好評である。すでにプリントされた写真に、ここへ放り込んだ方がいいものがないか、などが確認できたら、仕上げの作業をして発注しようかな、と思う。


1年1冊くらいになるのかな。1歳以降は、活動の幅が広がって写真の内容が多彩になるから、次の1年分は結構苦労するかもしれない。
二人目以降も、これだけ熱意を持って写真を撮れるかどうかは、よくわからない。一般には下の子になるにつれて、アルバムというのは薄くなるものである。
それでも、選ぶことにだけ集中したら、あとはソフトに用意されたフォーマットにうまく乗っけていくだけでいい、というこのフォトブックは、作る作業が楽しいし、相当に手助けをしてくれそうな気がする。


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