カーテンを洗濯して、冷蔵庫を買う


今使っている冷蔵庫は、祖母がまだ元気だった15年前に、父方の実家で買ったものである。
その後、祖母は亡くなって、祖父の一人暮らしに数年を共にし、その後長い入院中に祖父宅の留守を守り、祖父もまた亡くなった後、今の家で私が一人で再び生活を始めるにあたって、同僚の先輩から借りた軽トラックで、父と私によってここに運ばれてきたものだ。
故障、というところまではいかないが、側壁が過熱する割に冷えがいまひとつ、という状態になってきた。
容量的にも、共働きで生協を活用するライフスタイルには少し厳しい。


この度、「仕事や出産、試合などで対応の難しい時に突然壊れて困ってしまう前に、思い切って買い替えよう」、と結論した。
昨晩から各社パンフレットを広げて、価格.comのレビューなどを覗いて、どこのどれにするかで相方と一緒に悩んだ。


基本性能に長はあるが若干無骨な三菱、
看板のプラズマクラスターによる除菌脱臭以外は、いまひとつ訴えかけてこないシャープ。
容量と、ちょっとしたくすぐる機能で迫るパナソニック、そこそこ、そのあたりも押さえつつ、野菜室と安定した冷却性能でアピールする東芝
パナソニック東芝かな、とだいたいの見当だけつけて、後は実物を見て悩むことにする。


今日は体験保育があって、土曜日だけれど娘は保育園。
チャンスと思って冷蔵庫の購入のほかにも様々な作業を予定する。


冷蔵庫の買い替えのほかに、夏の間にやっておこうと思っていたことがいくつかある。
「カーテンの洗濯」と「ダイニングにある椅子の皮革の手入れ」は、手軽さから見てその筆頭だった。
先週末にもこれらにトライしたが、カーテンは外したものの、クリーニング店には家で水洗いしたほうがいい、と言われて、紙袋に放り込んだままになっていた。


カーテンは、娘が真っ白な布地に水性ペンで線を描いてしまったのがきっかけで、洗うことになった。
汚れがきれいに取れるか、大きな布をちゃんと洗濯機にかけられるか、きれいに干せるか、と少し不安だったけれど、二人がかりで襞を合わせて畳み、ネットに入れてしまうと、その後はすんなりと運んだ。


カーテンを洗うのだから、と慌しく窓も掃除する。
仕上がったカーテンを掛けると、なんとなく窓際が明るくなった気がする。相当な埃が潜んでいたのだろう。


このほかにも、合間を縫ってロール網戸の修理までやった。
時間の短い「体験保育」では、送り迎えを除くと家における娘不在の時間は実質3時間弱しかなくて、ここでタイムアップ。
二人で迎えに行った。


帰りに電器店に立ち寄る。
カートに乗せたり降ろしたり、二人でかわるがわる娘の相手をしながら、店員に主に二社の冷蔵庫についてあれこれ説明してもらいながら、何度も開けたり閉じたり、庫内の広さやトレーの形状を幾度も見比べて悩む。


東芝 548L 6ドア ノンフロン冷蔵庫(ステンレスシルバー)TOSHIBA GR-B55F-N
エコと低価格の競争の中でどこもやめてしまった、冷蔵用と冷凍用に独立した駆動部を備える構造を頑なに守り、おそらくその構造のおかげで温度管理にすぐれ、野菜の保存能力で他に秀でている東芝を選ぶことにした。
パナソニックはとっても魅力的なのだが、どうも作りがうますぎて、スペックに表れない構造的な無理を大分しているんではないか、とひそかに不安を感じた。


実は、予定していたよりも、ひとつ大きなサイズのを買ってしまった。
少し大きくなる奥行きが、キッチンに威圧感を与えないか少し心配だけれど、家に戻ってからあらためてパンフレットを見直し、いい買い物をしたんじゃないかな、とちょっと満足感に浸った。


それにしても、これだけの寸法でこれだけの仕事をする機械が10数万円で価格を競っている、というのはすごいことである。
店舗間の比較うんぬんを抜きにして、相当に安い。
作る側は大変だなあ、としみじみ思った。


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