おめでとう


大学時代に部活動をともにしたHくんが台湾で結婚式を挙げた。
同期の友人がたくさん現地に駆けつけて、お祝いしたようだ。


なかなか身軽に飛び出せなくて、心の中で祝うだけになってしまった。
彼の友人が、早速当日の様子をWebのアルバムにアップしてくれたおかげで、様子を見ることができた。


Hくんは台湾で研究をしていて、そこで言葉を教えてもらっていた女性と国際結婚をした。
写真でうかがうに、長身の美しい人で、なかなか素敵な人のようだ。
結婚というのは、それぞれの社会のしきたりがよくあらわれるものかもしれない。
親戚が集まって、少し日本とは違う形の儀式的な手続きを経て、食事をした様子が写っている。
その後の披露宴の様子は、日本でもよく行われるプランを取り入れたのか、それとも一般的にそうなのか、そのあたりはわからないけれど、私たちにもなじみのある、宴の景色が並んでいた。
H君のご両親も見えられていて、とても幸せそうに微笑んでおられるのが印象的だった。


周りの様子に一喜一憂する私とは違い、学生時代から、自分の思うところ、自分の気の向くところに常に確信のある風で、淡々飄々と進む、ぶれない人であったから、学問や研究なんかはこういう人には敵わないな、とあっさり思わされたものだった。
扇子片手に理論系の難しそうな計算なんかをしながら、鉄砲も撃ち、そうかと思うと、チェスの大会でも上位に食い込んで、東京まで試合に行ったりと、フットワークも軽く、すごいなあ、すごいなあ、と横目に見ていた。


世俗を超越したような感じもあったHくんだけれど、結婚式の写真に写っているHくんは、しっかり地に足の着いた感じの貫禄が出ていて、また違った魅力が備わったように見えた。


Hくん、本当におめでとう。どうぞお幸せに。


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