のんびり?

バスに乗る



ここまで移動続きの正月だったが、ようやく今日は移動せずにすむ日だ。
娘のことで普段短い休みを使ってきている相方は、明日から仕事に出なくてはならない。


今朝も娘と二人散歩に出て、またバスが停まっていたので、乗ってしまう。
自宅に立ち寄って、二日分の年賀状を回収したり、洗濯物を畳んだりして、明日以降に備える。


テレビも新聞も、いつも以上に接する機会がなくて、年末年始のニュースやスポーツイベントの内容も結果もよくわからない。
メールチェックのついでにちらとポータルサイトのニュース欄を覗いて、今日ようやく、ふーん、と知った。
散歩から戻ると、箱根の復路を映すテレビがついていて、台所で原稿書きの仕事をしながらぼんやりと観た。


書店に普通に並ぶ書籍に掲載される原稿を、依頼されて書くのは2度目である。
いずれも、特別支援教育の実践アイデアを紹介する内容である。
特別支援教育おすすめ「ちょいテク」支援グッズ31 (シリーズ 障害児のためのステップアップ授業術)
就労支援を進めるために、職業科を設置した特別支援学校という学校がまだ、全国的には珍しい上に、「職業科」の中でも珍しい「流通サービス科」なんて学科を設置していると、総覧的な書籍を作ろうという話になると、「あそこにも声をかけてちょっと載せておこう」ということになるのだろう。
日々試行錯誤を強いられているがゆえに経験できる、珍しい体験のひとつと、前向きに受けとめることにしている。


前回が2ページ、今回は6ページ、と分量は大したものではないのではないのだが、書くとなるとなかなか容易ではない。
それは、指定されるフォーマットに、普段取り組んでいることをきちんと纏め上げる、ということ自体の難しさもあるのだけれど、それだけでもない気がする。こういういろんな教科の取り組みを並列する書籍で採用されているフォーマットはもちろん、国語、数学など一般によく知られる教科を記述するのにフィットするように考えられている。
週に7時間も展開していて、それでも指導要領で対象となる内容の全部をカバーできていない、という膨大に時間を食う教科には窮屈なことが多い。また、内容として期待されている「指導上の工夫」のようなものの多くが、個別に異なるちょっとした文具の持ち方だったり、説明と練習の組み合わせ方だったり、とあまり系統だった絵にならない(というより、文にならない?)ようなものの集合体だったりして、何をどう書くか、すごく頭をひねらないといけないようなところがあるのだ。
発行される本のスタイルや、他の教科に書かれる内容をあれこれ想像しながら、書き始めるまで相当に、うんうん唸らないといけない。
ようやくそれは、年末に少し時間を取って「えいっ」と考えたときに抜け出した。今は項目別に独立したファイルにして、ひたすら「どかっ」と書きまくっていく段階である。


生徒が7日には来て、フルに授業が始まるため、いつもよりも仕事だけに専念できる休業期間が短い。
5・6日の二日間でどこまで仕事を進めておかなければならないか考えると、とても気が重い。
個人情報は持って帰れないので、家でできる仕事には限りがある。そのことを逆手にとって、職場では落ち着いて取り組めない、この原稿書きの仕事をできるだけ進めておくしかない。


夜眠る前に、疲れた頭を休めようと、年末に届いたばかりの「こうもり」を一幕だけ観た。
超絶的な歌唱力と演技力で華麗に織り成される吉本新喜劇、といった感じで、その豪華絢爛で贅沢な舞台に驚きながらも、ひと時浮き立つような気分にしてもらった。


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