Privia PX-120LB 

娘とピアノ



娘が生まれると、相方や母たちは、娘にいろいろな歌をうたいかけてきた。
その多くは、私もまた幼いころに耳にし、一心に歌っていたものである。
しかし私の記憶に残っているのはメロディばかりで、歌詞については随分といい加減なため、私が歌いかけようとすると、悲しいかな、だんだん歌詞が怪しくなってきて、最後は鼻唄のようになってしまう。
これは、各人の記憶力の個性ともいえるもので、私のこの記憶パターンは、間違いなく父譲りである。


そんなわけで、童謡が改めて身近になり、実家では娘に歌いかけている横で、ピアノでちょろっと伴奏を付けてみたりするようになった。
さらにこのごろは保育園で、ピアノの伴奏でいろいろなリズム運動や、歌唱を楽しんでくる。
親子リズムなどで耳にしたそのメロディを、ポロポロっと弾くと、娘は喜び勇んでその運動をやって見せたり、ポーズをとったりする。


家にも鍵盤が欲しいな、と思うようになった。


先月の半ばごろ、スペースや価格面と性能で折り合いそうな楽器があるのかどうか調べてみた。
「電子ピアノ」は、価格的に高嶺の花でスペースもドンと取る、というイメージがあったのだが、随分といろいろなものが出ていることがわかった。
きちんとハンマー構造の鍵盤でタッチの強さに応じた大きさと音色の出るもので、数万円の水準のものがあるのに驚かされる。
サイズも、フルピッチの鍵盤を備えていながらきわめてスリムなものになっている。
高価な商品は性能面で限りがないが、低価格帯の中では圧倒的にカシオのプリビアというシリーズの評判がいいことがわかってきた。
相方と機種をどれにするか、と備品をどこまでつけるか、楽天市場を行ったり来たりしてPX-120LBに決めた。
すぐに注文したのだが、入荷待ちがあったため、届いたのは先月末の水曜日だった。


Casio/カシオ 【全国配送料無料】 電子ピアノ Privia (プリヴィア) PX120LB、スタンド、ペダルユニット、イスセット (PX-120LB)
昨日小児科から家に戻ったとき、娘が眠ってしまっていたので、その間に組み立ててみた。
随分と行き届いた組み立て説明で、梱包材が組み立ての間、床を傷つけずに部品を支えるパーツになっていたりもする。感心しながらやっていると、あっという間にできた。


軽快なデザインで、部屋によく馴染みそうだ。
恐る恐る電源を入れて弾いてみると、なかなかいい音で、キータッチも悪くない。
マンションでちょろちょろ弾く分には、これで十分だと思う。


起き出してきた娘は、早速好奇心いっぱいに、触っている。
すでにピアノを見知っているので、音を出そうと背伸びして鍵盤を動かす。
膝の上に載せて鍵盤に向かわせると、ちょっと予想はしていたが、鍵盤よりもその奥の、音量ダイヤルやインジケーターのついたボタンの方に夢中になって手を伸ばしていた。


早速、「とんぼのめがね」や「どんぐりころころ」を演って、楽しんだ。
大してたくさん弾くわけではないが、身近に鍵盤のある生活がまたやってきて、とてもうれしい。


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