パンデミック

加湿器を洗う



メキシコに端を発した「豚インフルエンザ」は、対策を強化しつつも収まる様子がないことがニュースで日々伝えられてきたが、正直なところ対岸の火事、との印象がどこか拭えないままに、ここまできた。
しかし、「新型インフルエンザ」と呼称が代わって以降、アジア、さらには水際での発見とは言え国内にも感染者が現れるに至り、それが同じ府内の高校生であったことから、一気に目の前の問題となった。


身辺に海外渡航者がないか、という聞き取りはすでに土曜日の出勤時にも行われていたが、この二日の間に、水際で確認できなかった感染者を通じてか、渡航歴のない学生の間で感染が確認されるに至っては、府県レベルで対応を求められる「危機」となった。


連絡網を通じて、対策が全教員へと伝えられ、休日にもかかわらず、全生徒に電話をかけて、体調を確認し、外出の自粛を要請し、そしてついには1週間臨時休業することを、次々と伝えることになった。


参観の代替休日であった今日が明けても、明日から1週間生徒は来ない。
修学旅行などの大きな行事が、この1週間の中には含まれており、スケジュールの再編や再開に向けての方策協議、休業中の生徒への定期的な連絡などに明け暮れることになるのであろう。


事態の展開は、動き始めれば実にあっけなく進んでいくものである。
おおごとになっているとは言え、弱毒ウイルスだから、この程度の落ち着きが保たれているのであろう。
これが強毒だったら、と思うと、今回のことを教訓にしなければならない、と思わされる。


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