二次予選(10m)と練習


この間一次予選が終わったところだが、今日が10mの二次予選だった。
1次の上位6名で一発勝負で決める、というのがここでの長らくのルールである。


1次予選は大会で兼ねて行っているため、他府県の出場を目指す人や、ここでの出場資格を持たない人、あるいは代表になることを目指さない人も含まれていて、そういう人たちの棄権手続きを経て、順次下位を繰り上げ、6名の進出者が決まる。


国体の出場資格は、単純にはその府県の在住者か在職者にある。
ただ、大学生については進学に伴って大都市圏に一時的に移り住む人が多いことから、出身高校の所在府県の代表資格も持つ。また府県の体育振興事業のものさしとして国体の成績が用いられるために、有力選手をある府県が集めたり、それを請け負って移籍を繰り返す選手が出るおそれがある、として、移籍に関する制限事項が定められている。基本的には移籍をすると、2年間国体への出場資格を失う。


この春大学を卒業して就職し、同じクラブに入会した選手がいるのだが、彼女は昨年まで大学があった県の予選に出ていた。
この春「移籍」」したことになるので、出場資格がないのではないか、ということになり、順位は2次進出圏内だったのだが、保留されていた。
結論的には、大学を卒業して所属県が変わるのは、結婚して所属県が変わるのとともに、移籍制限の例外に当たるので問題はなかったのだが、何分1次予選と2次予選の間隔が短かったために、本人はもちろん、出場資格確認を依頼した私も、決定通知がなかなか来ないことに少しはらはらした。


さて、すごい強敵が現れたでもなく、まずはそれほど困難な試合ではないのだが、この1週間は、昨日をピークにかなりコンディションを整えにくい日々だった。
試合に向けて出来ることは、直前のすべきことをしっかりやることくらいである。
これまで長らくおろそかにしていたが、どうするのがいいのかという模索の意味も込めて、5時ごろに起きて少し走ってウォーミングアップし、会場に向かう車内では、サイキングアップにつながりそうな音楽を聴くようにする。


ぎりぎりに出場資格確認ができたクラブの後輩を駅で拾い、会場に45分前に入った。
9時から、予定通りに試合が始まる。


前回問題だったチークは改善されており、目の使い方にも一定の進歩があり、と期待は大きかったのだが、そうはうまくいかなかった。
「立ちかた」によくわからない部分が出る。自然狙点の位置が、自分の「このあたりに来るはず」という感覚と実際のものがどうしても一致しない。
ひとつは新しく投入したCW-Xの感覚が、私のフォーム形成上ひとつのキーパーツとなっている膝について、新しい感覚を呼び覚ました、ということがある。
もうひとつは、新しい把握のしかたに変えたときに重要性を失った骨盤周辺の感覚について、膝の新感覚をきっかけに、制御のポイントがなんとなくわかった気がして、迷いが現れたことであろう。


自然狙点のコントロールの問題は、結構深刻で、どうにも気持ちが悪いだけでなく、両者のずれのある方向に、ポカンと大きく外れることがある。
前半3シリーズは95・96・96と大炎上してしまった。
いくら相手に余裕のある試合とはいえ、これは代表選考会。まずい。
S3の途中で、膝と骨盤の関係について、捕らえ方を整理する方法が見えた。
今はそれにすがるしかない、とその方法を進めると、細かいことはわからないけれど、自然狙点が感覚と合うようになった。


やれやれ。後半は98・99・99で582。
結果的には、無難に1位通過したが、一昨年に、10年ぶりに代表を逃した時とよく似たことを繰り返してしまった。
新星が現れなかったからよかったようなものの、反省すべき内容である。


午後は、久しぶりに「練習」をする。
50mを、S中心に3つの姿勢ともに練習した。


ああ、こうやって練習するのが当たり前だったなあ、と射撃場が料金制やポイント制に移行する前のことを、懐かしく感じる。
建物は何も変わらないのに、わずかこの2年ですっかり射撃場の光景は変わってしまった。
週末なのに、こんなに人の姿がないなんてありえなかった。
危惧したことそのままに、ひとつのスポーツ文化の火は、消えゆくのだろうか。


[fin]