基礎から学ぶメンタルトレーニング


基礎から学ぶ! メンタルトレーニング
高妻容一氏の新著である。
氏は、巷間に乱立している観のある「メンタル・トレーニング」の類の中で、古くから研究も実践も精力的に行ってきた「正統」なスポーツ心理の研究者である。


カラフルなイラスト入りでわかりやすく書かれ、実践的なスポーツにおけるメンタルトレーニングの全貌を、あらゆる読者層に伝えよう、という意欲に満ちた爽快な一冊だった。
さらに詳しい書物に進みたい、と自然に思わせる力がある。


私が駄目なのは、まずは「目標設定」を明確に行えない弱さ、たとえ行ったとしても、そのためになりふり構わず突き進めず、周囲に起こってくる出来事に次々エネルギーを分配してしまい、結局立てた目標は蔑ろになってしまうところである。
読みすすめるにつれて、あらためてそんなことを思い知らされる「痛さ」を感じつつ、打開する可能性を自分の中に再び探る。


爆笑問題の「爆問学問」と思われる収録を「自分のペース」ですすめられるように、「サイキングアウト」を仕掛ける例が、(著者には意外かもしれないが、最も私には)「心理的な取り組み」の重要さを強く印象付けた。
これを機会に、類著や参考文献にあらためて足を踏み入れようかと思っている。


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