歩いた


娘が歩いた、という。


掴まり立ちを始めたときには、まだ足首がぐっと踏ん張れない様子だったが、最近はしっかりしてきていた。
今日、保育師さんがふと気がつくと、立って他の子を(短い距離だが、たたた、と)追いかけていた、という。
すぐに歩くだろう、と思わせる、すばやい膝歩きをするようになってから、意外にももう2ヶ月近く経つ。園では、「膝歩き」するよりも「這う」ように、といろいろ働きかけを工夫されていたと聞く。


園では、すっかり日々の流れに馴染んだようだ。
午前のリズムでは、自分の出番の終わった後も、年長のグループがひきつづきやっている様子を熱心にガラス越しに見ていたり、そのほかの時間帯は、半年年長の子の様子が気になって追い掛け回したり、と集団ならではの刺激を受けて、日々好奇心旺盛に過ごしているらしい。


娘が追い掛け回しているその子は、さらに半年年長のいとこを強く意識していて、大きくその影響を受けているという。
「集団」の力とは、わかりやすく、しかしそれ以外では得難いものである、と改めて感じる。


その変化を、伝え聞くだけなのは惜しい気もするが、その度合いは思ったほど強くない。
「へー、そうなのかぁ」、と頭を撫でるのも意外に悪くないものだ、と感じている私がいる。


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