尼崎


いつものように乗換駅に着いて階段を下りると「尼崎」という見慣れない表示と、新しいぴかぴかの車両が待っていた。


先のことだと思っていたが、近鉄阪神が相互乗り入れする「大阪なんば線」が、連休初日だった3日前に開通したのだった。
JRでも先日、大阪ひがし線が開通して、同じように尼崎まで直通する快速が走り始めている。
馴染みのないちょっとした「遠く」が、ある日突然日常的に目に触れるところとなる、ということは、そうしょっちゅうあることではない。


シートの手すりにちょっとした特徴があって、落ち着いた地柄のシートが並ぶ明るい車内だ。
甲子園など、兵庫エリアで展開する事業主による、これまでに見慣れない広告も目新しい。
そんな真新しい車両なのに、県境の少し長いトンネルでは、やたら窓ががたがたいうのが少し気になる。


大阪キタの中心を通らずに、西に斜めに突っ切っていくルートの恩恵を本当に実感するのはいつになるかわからないが、微妙に変わった土地への距離感が影響してくることはあるだろう。
プランナーが期待しているのも、根底ではそういう微妙なところなのだろうと思うのだが。


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