新しい加湿器

boneco



先月末にBonecoが来た。気化式の加湿器である。


加湿器は、小さなものがすでにあって、今年の冬はこれまで、ずっとそれを使っていた。
魚を飼うようになるまでは、気温が下がると覿面に湿度が下がって顔がぱりぱりしたので、その小さな加湿器でも重宝した。
水槽を置いてからは、それなしでも乾燥はかなり和らぎ、しばらく加湿器なしで過ごしていた。
水槽の水位を見ていると、こんなに蒸発するのかと驚くくらいに水が減り、自然と加湿されているのがよくわかる。


昨年の冬に娘が生まれ、新生児の間は湿度や温度に少し気を使うことになった。
いままでもあったけれど、禄に見ていなかった乾湿計で確かめてみると、水槽があっても結構乾燥している、ということになって、再びその小さな加湿器を稼働させることになった。
加湿してみると、確かにわれわれ大人にも快適で、このごろはかなり長い時間稼働させるようになっていた。


しかし、ほどよい加湿、というのはなかなか難しい。スイッチの調整をたまにしてみても、加湿器の周りは常に過湿気味になる。
ちょうどいい、と思って寝るのだが、起きるとなんとなく布団が重い感じになっていたり、窓の露がすごい量になって、障子などの建具が何となく湿気ていたりする。このところ木部に黒ずみが目立つようになり、痛んできているらしいことがわかってきた。
カビを心配して、布団を毎日干したり、寒さ覚悟で換気したりしなければならない。
加湿器を長時間点けっぱなしにする使い方は、あまりよくないのかな、と思うようになった。


上手い使い方を考えなくては、と思っているときに、「通販生活」で、相方が見つけてきたのがBonecoだった。
気化式なら、これらの問題は一気に解決するというのだ。


結構いい値段で、大きさもあるので、かなりはじめは身構えたのだけれど、読んでみるとなかなか魅力的だった。
(ほしいなあ、必要だなあ、と思う商品について、「通販生活」の説明はたいてい魅力的なのだけれど。)
故障しにくい仕組みのようだし、なかなか愛らしいデザインなのも気に入って、とうとう注文したのだった。


届いてみて気がついたのだが、チェコ製の機械だった。
曲線主体のモノトーンデザインで、真ん中に2段階の切り替えをするダイヤルがあるだけ、というデザインは、実物も素敵だった。
大きなファンで静かに力強く空気が送り出されてくる。


宣伝に嘘はなく、使い始めると、これまでの問題は覿面に解決された。
空気はしっとりしているのに、窓の水滴はガラスが曇る程度になり、布団や建具が湿気ることもなくなった。
湯気が出るわけではなく、手をかざしても手が湿らないような空気がスースー出るだけだから、加湿器の周りがぼとぼとになることもない。
さらには、広い面積をカバーする力があるので、置き場所も寝室ではなくダイニングに。


ただ、あまりにダイヤルが印象的なので、そのままにしていると娘が機械にまとわりついて四六時中ダイヤルをカチカチやってしまう。
危険ではないけれど、このままではダイヤルが壊れてしまいそうなので、泣く泣く今しばらくは、壁の方に正面を向けて使っている。


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