新しい射撃用インナーで撃つ

新しいインナー



G銃砲店がこの度、自社ブランドの射撃用のインナーウェアを製作した。
射手・コーチとしても活躍する、スタッフHくん入魂の一品である。
数年越しであれこれ試行錯誤して、海外の同じような製品にない性能・趣向と低価格の実現に漕ぎ着けている。
一番の特徴は左右非対称の構造で、射撃特有の姿勢を取った時に各箇所で必要になる形状に応じて、厚さや伸縮性の異なる素材を配置して縫製してある点である。


試作品を学生代表候補の学生が着ているのを見かけて以来、その完成を楽しみに待ってきたが、この間の国体でプロトタイプの売出しが始まった。
私もひとつ、とお願いしていたのが、先日自宅に届いた。
早く確かめたかったのだが、私自身の撃つ機会がなかなかなく、今日に至った。
講習会の講師ながら、今回も1度だけ合宿と重ねておいたランクリストマッチに参加させてもらう。
いきなりではあるが、使ってみた。


私はこれまで、古風にもウールのニットを愛用し続けてきた。身体へのやわらかいフィット感が抜群で、キャンバスとの隙間を強い摩擦力とともに埋める力に優れていると考えてきたからである。
新しいインナーは、それと比べると少しごわっとしているが、要所要所身体を締める力がある。薄いように見えてボリュームがあり、ジャケットとの充填感や摩擦感はなかなかよい。
裾がもう少し長くてもいいかな、と思ったが全体的には特に違和感なく使うことができた。


試合の内容は、手応えのあるいいものだった。
銃を長く触っていなかったことが祟って、さすがに静止レベルは高いレベルをなかなか取り戻せず、はじめ少し苦労した。
いきなり初弾次弾が8・9と続く、不可解かつ気持ちの悪い滑り出しだったのだが、淡々と続けて96で凌ぐと、99・99と続いた。S4で後半5発中4発が9点という、不可解な時間帯が再び訪れて96と大きく落としてしまったが、終わりを99・98と締めて587。
上体の操作法・軸の取り方についてのノートの記述が有効に使えたために、前回までに気づいた技術をさらっと再現できたのが大きい。
ただ、整理されている項目が、(偶然にも)基本的に右に回旋する要素ばかりになっているため、銃の自然狙点が右へ狂いやすい。


練習できる日が待ち遠しい。


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