国立スポーツ科学センター

国立スポーツ科学センター



今日で、5日間にわたった専門教科の講習も終わりである。


今回の会場は、国立スポーツ科学センター内の研修室であった。
ナショナルトレーニングセンターと合わせて、ここは日本の競技スポーツの強化拠点である。
様々なスポーツの強化・研究用の施設の中で、私たちが活用したのは、研修室を除けば、選手たちが利用するのと同じバランスや栄養素のことについてよく考えられた食材を自在に選んで食べることのできるレストランだけなのだが、そこで2食の食事をして、建物の中をうろうろするだけでも相当に施設のありがたさを体感できる。


この講習の間にも様々な競技でトップ選手が合宿や練習をしているようで、選手やスタッフと思しき人たちが頻繁に出入りしており、北京五輪で銀メダルを獲得したフェンシングの太田選手やアーチェリーの山本選手などを見かけた。


今日は、午前中に行われた最終講義の中で、地下の射撃場を見学することができた。
様々な計測機器が設置されているが、有効な使いこなしは、なかなか難しそうだ。


講習会の後半は、銃刀法など関連法規に関するものや、ドーピングなど医療に関するもの、最新のルール事情、海外の情勢から今後の強化の方向性を考えるものなど、「コーチ講習」としてはそれぞれに項目的に外せない内容が続いた。


受講内容で驚いたのは、やはりルールがらみの部分だろうか。
来年はISSFルールの改定年に当たる。前回の全面的な改訂があった4年前には、この時期に全文が明らかになっていた新ルールが、今回は施行まであと40数日しかないのに、断片的にしか日本も含め各国には伝えられていない。
そこで示されている変更点には、選手が競技するに当たって影響のおよぶ改変はそれほどないが、「同点で8位前後に選手が複数並んだ場合にファイナル進出者を決定するシュートオフをする」とか、「同点の順位決定は、シリーズのカウントバックよりも、インナーテンの数を優先する」など、運営に対しては大きな影響を与えそうなものがあるという。地元に帰れば「運営者」でもある受講者には少し衝撃が走った。


指導に招かれることが多くなった今、指導すべき内容に、どのような項目が立てられるものであるのかを俯瞰できたことが今回の講習会の、最大の収穫である。


午後からは考査が行われた。
合格させる姿勢があるとはいえ、やはりなかなか気の重いものである。
出題されそうな内容について、ここまで受けた講義ノートを纏めたりして臨んだ。
出来は特に問題なく、終わってほっとしたが、帰り際に1月末までに提出しなければならないレポート課題を渡されて、まだ終わっていないことを痛感する。
なかなかのボリュームがある。


2月初めにある一般教科の考査と合わせて、まだ少し「勉強」することになりそうである。


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