事態収拾


朝携帯に届いた、FさんからB君に宛てたメールのccで、経済産業省から輸出申請書類の再発行手続きが思いのほか早くなされたことを知る。
成田に受け取りに行く打ち合わせをする内容であった。
あまりにすんなりと進んだことに、かなり驚いた。


すぐ、事情について詳しく触れられたメールが協会から届き、省の担当者が、経緯や今後の予定などについてじっくり聞いて、省内の調整に骨を折ってくださったことを知る。
やはり本来はかなり厄介で、懲戒的な手続きを取られてもやむをえないところだったようだ。


協会の関係者にも同じメールが説明がてら送られていたのだが、そこで初めて今回の件を知った役員もおられたようで「当人・責任者に始末書を書かせろ」といった意味のメールが来たのには閉口した。
それをまず指示しようというのは、組織の体面のためか、自分の実存のためか。
当人の周りにいる者たちは、本人に対して反省を促すことなく、ただ事務的に事態収拾を図ったりするとでも思っているのか。すでに身近で処理に散々骨折っている人々に、さらにそれを書かせる労を取れと言うのか・・・。


事態収拾にひとまず息をつきたいところだったのに、随分、相当に気分の悪いことである。
よっぽど何か返信でもしようか、と頭に来たが、すぐ穏やかな調子で「今後に向けて建設的に、今回の反省を踏まえた報告書こそ作成すべき」・「本人の反省はすでに十分になされている」と先輩方から応答のメールが送られた。


仕事を終えて携帯を取りに行くと、メールを書かれた当人から、直接電話がかかってきていた。
家にも、電話があったようだ。
かけなおして話してみると、大変穏やかな建設的な話だった。
すぐにはできないが、今回の遠征で直面したさまざまな躓きについては記録してあるので、急に遠征を率いることになる人たち(高校の先生など)が、もう少し心穏やかにその任を引き受けられるように、簡易な手引きのようなものを作っていくことを約束した。


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