薄氷の2位


今回の大分における私にとってのメインは何と言っても今日の10m立射60発競技である。


昼からの出番ではあるが、今朝も少し早めに起きて周辺を歩く。
北回りのジョギングコースがあるので、それを辿ってみようとしたが、仏道寺、金鱗湖を過ぎて道を間違えて迷ってしまった。
朝食を7時からにしていたが、ちょうど戻って来られる予定で歩いていたので、そのままでは間に合わなくなってしまった。
あいにく携帯電話を置いてきてしまった。朝から不明、では心配をかける。
距離は長くなるが、これ以上わからない道を行くのをあきらめ、確実に来た道を走って引き返すことにする。
途中で宿の建物が見えて、最短コースで帰ってくることができたが、不本意ながら2キロ以上の距離を全力疾走せざるを得ない感じになった。


目覚めさせる、を通り越して、かなり疲れてしまった。
朝食後、足湯などを使って疲労回復に努める。


さて3日目の今日は、明日にジュニアの2種目しか残さないので、実質的には競技最終日の趣で、成年のメイン種目が目白押しになっている。
その中でも10m立射60発競技は最後に行われた。


他の成績はあまり気にならない。自分の思い描くパフォーマンスをしっかりやるだけである。
試射から、きちんと立てた。立つことについての再現性は、やはり良くなっている。
うまく気合も乗って、オーラのようなものを発しながら撃つ。
問題なく本射に入った。トリガーのミスで1発だけ9を撃ったが99でスタート。2シリーズはすべて文句なしのセンターで100だった。


いつもなら十分このまま行けるはずだったが、ここで急に体中のエネルギーが切れたみたいになってしまった。
主に足回りから、姿勢を作っている小さな筋肉まで鈍くだるくなってしまう。
やっぱり朝のが効いてきたか・・・と思った。
ここからは身体が別人になってしまった。笛吹けど踊らず、状態。
何度か休憩を入れて、時間いっぱいを使って何とか建て直しを図ったが、終わってみれば584だった。上がりの4シリーズで385しか撃てなかった計算である。
・・・。
決勝も危ういな、と思っていたら、2位残り。なんだなんだ・・・?


ファイナルではさらにスタミナの減速が加速した。試射では、少しとはいえ休憩が効いて再びコントロールできる状態になり、センターを連発したが、本戦では20数発は持ったスタミナが、今度は本射の3発目くらいまでしか持たない。後は同じ。いうことを聞かないよれよれの身体を鞭打って、なんとか9.5までに抑える四苦八苦の射撃で99.9。
順位を下げる覚悟をしていたが、3位以下の射手もよれよれで、終わってみれば変わらずの2位だった。


なんとも情けない内容で、喜べない内容だったが、天皇杯得点15点は大貢献に違いない。大変な中で迎えた国体だったけれど、兵庫に続いてきちんと役目は果たせたことに一応の満足を見出す。


余談ながら・・・ファイナルの司会者は、もう少しきちんとアナウンスできる人を当てるべきだなあ、と思った。場に飲まれて恥ずかしい思いに苦しむ本人も、読み上げられるメッセージを書いて、緊張しながら舞台に上がっている選手たちもかわいそうだ。若い子に押し付ければいい、というものではない。
ふりがなもつけて資料を出しているのに、何度も選手が名前を読み間違えられたり、試射の時間にまで食い込んで読まれるコメントが、ほとんど何を言っているのか聞き取れないのは、ちょっとつらい。


[fin]