オフ

由布渓谷



大会2日目の今日は男子50m3姿勢をメインに、10mはジュニア種目だけという種目編成になっている。
ブロック予選で今日の種目の出場権のほとんどを落としてしまった我がチームは、ジュニアチーム以外は夕方の記念撮影まで自由行動、ということになった。
CPの応援に行く人が多かったが、私は、明日借りるレンタカーについて若干確認しておかなければならないことがあったので、予約を入れた営業所に足を運んだ。


その道すがら、ノーマンロックウェル美術館というのが目に入った。
湯布院は、ここで数日の時間を過ごそうという人たちが楽しむことのできる、こじんまりとした美術館がいくつもあって、これもそのひとつというところだろう。
ロックウェルは相方が好きで、私も画集をプレゼントしようと探しているうちにすっかり気に入ってしまった。
宿に戻るときに立ち寄ってみる。


吹き抜け2階建てのこじんまりした建物だが、どこの壁にも結構な数のコレクションが並んでいる。
受付は物静かなご婦人で、気さくに話しかけてくださる。
館長がどうも愉快な人らしく、作品一つ一つに解説ともコメントともつかない一筆が添えられている。ロックウェルの作品で元気になってほしい、という願いが一筆一筆ににじみ出ていて、「美術館らしく」はないけれど好感を覚えた。
記帳を勧められ、館内で記念に写真も撮ってくださる。
民宿に泊まって帰る時のような気分になって館を後にした。


宿に帰ってから、KさんYさんと昼食を摂った。記念撮影に射場に上がる途中で由布渓谷に立ち寄ることにする。
狭霧台で湯布院を一望して猿渡を目指す。
渓谷は思っていたよりも狭く深く、梯子と言ってもいいくらいに急峻な鉄の階段を下りて眺める、緑の中の緩やかな曲線の絶壁は美しかった。


夜にMLで北京行きの選手たちに移動についての連絡をする。
こんなことが出先から携帯で散り散りの選手たち全員に伝えられるとは、何と便利になったことだろうか、と思う。
さて、ふたたび選手モードに切り替えねばならない。


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