手水鉢に金魚

カバーした手水鉢



実家の両親が、友人に金魚を分けてもらって飼いはじめた。
40cmくらいの手水鉢が以前から家にあって、そこで金魚を飼ってみたい、という話は聞いていた。


見に行って見ると、かわいらしいランチュウが手水鉢でひょこひょこと泳いでいる。ああ、金魚は上から楽しむものだなあ、と改めて感じた。


日差しで水温が上がることと、猫の襲来を心配して、庇が一番深いテラスの角に、ラックで目隠しするようにひっそりと置かれていた。
留守にする時や、夜寝るときは板をかぶせて、上に重石を置いているという。


板で真っ暗にふさぐのは、面倒な上に趣がなくて、何だか飼う楽しみを削ぐようなところがある。
しかも、家に人がいる間に猫が来ないとも限らない。


一工夫しようか、と母を連れてホームセンターに出かけた。


何で猫をよけるか、あれこれ見て回った。
もっと深い甕のような器にして、水位を下げればそれだけでかなり安全だと思ったが、あいにく陶製のそのような甕は売っていなかった。
今の手水鉢を覆う方法を考えることにする。
ネットをかけてしまう、というのが最も簡単だが、水面より下までネットを押さえられると、やられてしまう。金属製にすると、金網だけでは見た目が無骨に過ぎる。
スチールラックのパーツ売り場を通りかかって、のぞいてみると、正方形でサイズもぴったりな棚板がある。ステンレスの桟構造なので、ちょうどいい。
手水鉢の高さに合わせてやればすっきりした猫除けになるんじゃないか。
猫の手が入りそうな微妙な幅なので、鑑賞の邪魔にならない黒い金網を巻くことにする。


それから。手水鉢は水量が限られているので、少し水を動かした方が水が悪くなりにくい。
エアーポンプは安価で性能も良くなっているので、ひとつ購入。


一旦引き揚げた後、夕方に娘、相方と3人で実家に行き、早速組み立てた。
棚の上にポンプを置いて小さな植木鉢を載せると、なかなかいい感じである。
小さいながらも、ポンプの音自体が猫除けにもなるそうだ。


テラスにちょっとした水のある一角ができて、両親はとても喜んでくれた。


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