夜行バス

新潟の居酒屋にて



夜行バスで帰ってきた。
バスは出発まで慌しくないのでいい。
昨晩は、新潟市内に戻ってレンタカーを返して、さらに荷物を送る手続きをしても、まだたっぷり夕飯を食べる時間があった。
Aさんと、新潟駅前の居酒屋に入った。


新潟は海が近くて、魚がおいしい。
以前に、日本で二人しかできない、という「両眼視機能検査」を受けるために、視覚行動研究所の野澤さんを頼って新潟に立ち寄ったことがある。その時は、夜にご馳走になって、目やスポーツについての興味深いお話とともに、魚のこともいろいろ教えてもらったのだが、魚については「おいしかった」という記憶しか残っていない。

こちらでは魚の呼び名が少しずつ違っていて、何の魚か教えてもらいながら注文する。
「はちめ」って何だろう、と思って尋ねると「めばる」の呼び名だという。刺身で食べるの?と思いながら注文したが、これはすこし淡白すぎた。やっぱり普通に煮付けたりした方がいいな、と思った。
のどぐろの一夜干は絶品だった。
久しぶりに日本酒も飲んで、まずかった成績のことをちょっと反省したりもする。
随分あると思っていたのだが、バス発車までの数時間はあっという間に過ぎた。


新潟から大阪への夜行バスは、どのくらいの利用者があるのだろう。
見当もつかないまま停留所に向かうと、周辺にはずいぶんとたくさんの人が佇んでいた。
チケットについて乗務員に問い合わせている客のやり取りを聞いていると、どうも今晩は4台編成らしい。結構な数である。


乗り込んでみると完全にリクライニングできるシートは思ったより快適だった。少し寒かったが、各シートにヒーターがついていて、毛布をかぶれば十分にしのげる。
完全にカーテンが降りているので外の様子はわからないが、途中、SAやPAでトイレ休憩を取りながら、結構なスピードで進んでいく。
一度、秋田から試合を終えてから運転して帰ったことがあるが、疲れが全身に回ってくる新潟からが本当に大変だったので、寝ているだけでたどり着けてしまうことに、しみじみとありがたさを感じた。


停車するごとにちょこちょこ目は覚ましたものの、このところ夜中や明け方に娘に起こされてしまうのが当たり前になっている私には、結構満足な寝方ができた。
翌日の予定にもよるけれど、機会があれば移動手段としてまた使ってもいいな、と思った。


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