新潟にて(全日本社会人選手権)

新潟胎内市のAR射場



生徒をどうしても注意しなければならなくなって学校を出るのが遅れ、予定よりも空港到着が30分以上遅くなり、ぎりぎりで飛行機に飛び乗った。
宿の予約から車の手配まですっかり任せてしまったAさんまでハラハラさせて申し訳なかった。
そんなこんなで、昨夜から新潟にいる。


飛行機を使うと、本州縦断は数十分とあっという間。空港からはレンタカーのカーナビに導かれ、あっけないくらいあっさりと宿に到着した。
見本市の会場らしい、日航ホテルを中心にした美しい施設「朱鷺メッセ」からほど近い、きれいなホテルに泊まった。


Aさんも私もエントリーは1種目だけ。さらには出番が昼前とあって、少しのんびりとする。
試合会場は胎内市というところ。どんなところかと行って見ると、ゆったりした田園風景の奥にあるちょっとしたリゾートであった。
射撃場から、歩いてリゾートホテルに行ける、なんていうロケーションはとても珍しい。


あいにくの小雨模様で、ジャケットの堅さを少し気にしながら銃器検査を受ける。
今回は、4シリーズまでの成績上位5名がフォローアップ検査を受ける、という仕組みなので、少し面倒も覚悟する。


AR射場は体育館内に木材を組んで作った仮設射場。滑り込みで公認された「メイトン」の電子標的がずらりと並ぶ。
射座に入ると、木材の間で撃っているような圧迫感があるが、後ろは体育館まるまる観客席兼表彰式会場で広々としており、ミュンヘンのAR射場なんかをかすかに思い起こさせるような開放感がある。スクリーンで弾着の中継表示もあり、なかなか良い。


しかし、広々とした観客席から射座に入ってみると、ひとつながりの空間とは思えないほど狭苦しくて暑く、頭の近くの蛍光灯が鬱陶しい。
後ろで見ていたのと印象があまりに違うので、戸惑ってしまった。


だから、というわけでもないが、滑り出しから「うまく立てない」感じが拭い去れず、あれこれやってもダメだった。
後半満射も出て少し持ち直したものの、583。またまたがっかりな点数である。


少し慣れが要るものの、終わりごろには標的の明るさや、低い天井・たくさんの角材も悪くないことがわかってきた。
それよりも問題は、「立ち姿」の把握が、まだまだ全然できていないことである。それはもう、愕然とするくらいだった。
「うまく立てた」時と、「なんだかうまく立てないとき」で全くパフォーマンスが異なることは、少し気がついていたが、求めている水準からすると、そこの部分がまだ全くダメであることを思い知らされた。


予想以上に他の出場者の成績が悪く、2位で決勝に進んだ。
先立って行われた女子の決勝を見ていると、今井選手が399+104.0の日本新記録を出した。結果はもちろん、撃ちっぷりも堂々としたもので大したものだった。ああ在りたいものである。
私の方は、上も下も大きく離れていて、パフォーマンスに集中する他ないファイナルである。
ファイナルだけでもいい結果にしてやろうと意気込んで臨む。


射座に入ると、今度はすっきりと立てた。
うーん、さっきとどこが違うのだろうか・・・、と少し考え込んでしまったが、わからない。
肋骨周りには様々なオプションの生じそうな箇所がたくさんあるので、「立ち方」という視点でまた洗っていかないといけない。


立てれば、撃てる。
最近で言うと、ブロック予選で撃った時とよく似た感じだった。終わり際に少し失点したが、103.8。ファイナル得点だけなら1番だった。
本戦のまずい内容を誤魔化してしまったような気もするが、いい気分で試合を終えることができた。


まだ昼過ぎ、といえるような時間に終わったけれど、表彰は明日とのこと。
来年の国体キャラクター、トッピー・キッピーの小さなぬいぐるみとTシャツを買い、そばを食べて、胎内市を後にした。


[fin]