お盆の法要


母方の盆の法要に参加した。
祖父に娘を会わせたい、というのが一番の目的だ。


祖父の家に遊びに行くか、私の実家に不定期ながらある程度の頻度で来ている時に合わせて会いに行くかしようと、頃合を見計っていたのだが、祖父自身のコンディション(気分も含めて)やスケジュール(主に祖父の・・・いくつになっても忙しそうにしているのだ)がなかなかうまくかみ合わず、半年以上が過ぎてしまっていた。
もともと人が集まることになっているところに行くのであれば大丈夫だろうから、と淡路島から帰ってきたばかりだったが出かけていくことにした。


お寺さんが来る、という時間にぴったり合わせて到着したのだが、もう法要は始まっていた。
娘を抱いて、そっと座に連なる。
しばらくはおとなしく座っていたが、お経に鉦が加わると、その音が怖かったらしく、おびえて半泣きになってしまった。娘は相方と外で待つ。


程なく行も終わり、応接間でお茶をしてお寺さんは帰っていかれた。
先代が健在の頃も幾度かお目にかかっていたが、少し受ける印象が変わった。仏事を専らにされるようになって、坊主くさくなったと言ったらいいだろうか。


祖父、両親、叔母と峠にある喫茶店まで昼食を食べに行く。
店のちょっと映りの悪いテレビで、北島康介の連覇を伝えるニュースを見た。
娘は取り外したベビーシートですやすやと眠っていた。
祖父は大きくなった娘を見て、「どこから借りてきたのかと思うくらいに大きくなってるなあ」と、しきりに祖父独特の流儀で感心した。


娘も祖父も終始ご機嫌で、半日を楽しく過ごすことができた。
この2年に立て続けに3人が生まれ、祖父にはもう5人の曾孫がいることになる。
祖母がもう少し長生きして、ひとりでも曾孫を見ることができていたら、どんなにか喜んでくれたろう、と遺影を見上げて思った。


[fin]