あわただしい一週間が終わる


今日で合宿も最終日。
三姿勢の記録会の終了と共に、実質的に合宿は終わった。


選ばれなかった悔しさをしっかり表明して、記録会で雪辱の自己新を更新する選手もあれば、再起をかけてフィジカルや基礎的な練習に必死で取り組む者もあった。
技術構築の確かな鍵を手に入れたと感じた者があれば、選考に間違いはなかったと安心させるように貫禄の得点を記録する代表選手の姿もあり、笑顔とは裏腹に小心で不安いっぱいの「監督」には、心強く感じさせる選手たちの姿であった。


では、世界学生でいい結果が出せるのか、というと、そんなに簡単な話ではない。
「学生」は通過集団であるから、それぞれの選手の強弱は年々変わる。その変化に一喜一憂する向きがつよい、というかずっとそれでやってきたツケがたまりにたまって今の様々な面の低迷がある。


通過してしまう集団が、異なる構成員をもって徐々に進歩、向上していくためには、伝承されるものが変わっていくことが必要である。


技術はもちろん、連盟・選手強化・クラブの「文化」の進化・変容こそが必要である。
その積み重ねがなければ、一過性の「よかった」・「悪かった」で過ぎていくだろう。
今回、合宿で感じた「心強さ」は、記録会の結果などではなく、そういう「文化」的な側面に感じたものである。
各校の主将・エースクラスが味わい、身につけたこれらが、どのくらい母体となっているクラブに持って帰られるか、が実は一番重要なのだが、それがなかなかうまくいかないことはよく知っている。


これから学生たちは、各校、あるいは各地方協会の強化合宿が続く、絶好の「練習シーズン」を迎える。
普段より潤沢な時間をどう使っていくか、少なくともその点は明確に持って迎えることができる、それだけで相当に意義深い。
ある程度偶然に決まった日程ではあったが、ここしかない、というくらい、この合宿はいい時期であった。


コーチ講習・合宿と立て続いて、ずっと家に帰れない日が続いたが、これでやっと帰ることができるなあ、と思いながらミーティングを締めくくった。
最後に記録用にHさんに写真を撮っていただいた。
関東組は、帰りに10時間近くかかるということで、急がなければならないはずだが、別れを惜しみ、さらに写真を撮り合ったりして再会や今後の健闘を誓い合っている。そんな様子を見て、疲れの吹き飛ぶような心地も感じながら射撃場を後にした。


文化云々については、まだ賽の河原かもしれないが、今はまずこれで良しとしよう。
これからことあるごとに戦略を考えて、何か方法論的な一歩をどこかで踏み出せたとしたら・・・。
今は遥かな目標であるが、うまく行きはじめたら、きっとあっけないことなのだろうと思う。


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