水害


今日もコーチ講習の講義は続いている。
相変わらずなかなかの講師陣で、ここまでのところはずれなし。相方の実家から新大阪へ通いながら、充実した受講生生活を送っている。


外気に触れない時間が多いので、いまひとつ実感は薄れてきているが、相変わらず暑い日々が続いている。
会場のホテルには甲子園に出場する高校野球部が2チーム宿泊しており、いよいよ「熱い」夏の本番も間近いようだ。
3日前、北陸地方に激しい雨が降り、金沢は水害に遭っている、という報道があった。
そうか、とその時は、今週末に行う学生連盟の選手強化合宿を行うUがそのすぐ近くだということが、ピンと来ていなかった。


昨日になって、U射撃場の周辺でも斜面が崩れて、道路や電気設備に影響が出ているという連絡が入り、「あ、そうか、しまった」と驚いた。
合宿が始まる8月2日にはなんとか復旧の見通し、という報告つきだったので、なんとかなるか、と静観していたが、今日の昼過ぎになって県の協会関係者への連絡を求めるメールが来た。


講義の合間の短い休憩に電話を入れると、なんとか合宿をやってもらおうとぎりぎりまで協会関係者で奔走したが、安全性確保の面で不安がある、と県から使用を差し控える働きかけがあって、お引き受けできなくなりました、申し訳ない、ということであった。
状況・事情は想像に難くない。合宿開催に向けて努力していただいたことを感謝して了承した。


さあて、大変だ。
今回招集をかけている選手はスタッフ兼務を含めて関東・関西から21名。
合宿は明後日からで、明日はもう移動日だ。これだけの規模のチームが利用できる射撃場と宿泊施設を急に確保できるのか?
事情についてだけまず、選手強化委員とコーチに講義中こっそりメールを飛ばしてから、誰と実質の相談をするか少し考えた。関係者の顔を思い浮かべていって、関西学生連盟の選手強化委員長に決める。


次の休憩時間すぐに電話してみると、昨日の連絡の時点でAとOの射撃場の状況については探りを入れてあった、と言う。できる!当てにして正解だった。
昨日時点でいずれも射座の確保が可能で、Aは月曜が定休のため、するなら日程の変更が必要とのこと。
射場にかかる費用などに不安は感じたが、土地勘があって、宿の候補もばばっと思い浮かぶ。宿の確保や選手への連絡などを考えると一刻を争うので、Oと即決した。
宿の候補と問い合わせる順番を決めて、すぐに射撃場と宿の予約の電話に取りかかってもらった。


ほどなく射座の確保完了、宿は2軒目でヒットして確保、との連絡があった。
やれやれ。よかった間に合った。
電話とMLで選手や関係者に合宿地変更を知らせてもらって今回の件は一段落した。


関西・関東の学生連盟の連携がよく取れていて、スタッフの機転も利いていたからできた、1時間の早業だった。
Uの情報も学生スタッフと協会の間でもともと連絡が取れていたからこそ、すばやく直接に得ることができたといえる。


組織の成熟を感じて、少しうれしかった。


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