勝手口の網戸

ノーカットロータリー網戸



今年も暑い夏である。
これまでの「真夏日」に加え、気象庁が新しく、気温摂氏35度以上になった日のことを「猛暑日」と呼ぶことにしたが、関西は今月ほとんどがこの猛暑日だという。


「このごろ冬に雪が積もらなくなったねえ」、とは私が小学生に上がるころすでに、年配の方々の口からよく聞いたものだが、数十年単位で進んできた温暖化傾向は、ここしばらくで一気に顕著になってきた観がある。


幸い、住んでいるマンションは玄関側もベランダ側も庇が深く、最上階でもないため、戸建ての住宅に比べると格段に涼しい。
玄関側の数百メートル先には川が流れていることもあって、うまく風を取り入れられればさらにしのぎやすくなる。


勝手口の扉は、今では網戸とガラスの組み合わされたタイプも出てきているが、我が家のはガラスだけのものである。
階の高さから言うと、蚊が自力では上がってこないといわれている高さなので、工務店的にはもっともな選択だったと思うが、蚊は階段室を伝って上がってきたり、上の階で繁殖したりするらしく、結局我が家も蚊の襲来を受けるようになった。
勝手口を少しだけ開けて、そこで蚊取り線香を焚く、ということをやってきたが、それでも蚊が入ってくる。赤ちゃんのいる我が家としては少し神経質にならざるを得ず、網戸をつけたいなあ、とここしばらく相方と話してネットで調べたりしていた。


今日、ホームセンターに行く用事があって、うろうろしていたら扉に取り付ける網戸を売っているコーナーに出くわした。
メーカーは川口技研1社だったが、種類・サイズがいろいろ揃っている。ネットで調べている時は、タイプは選択できるものの、結局どこのメーカーのものにするのか、というのを決められない感じだったので、これ幸いとその中で選んでみることにした。
早速相方に連絡して家の勝手口やドアクローザーの寸法を測ってもらい、携帯にデータを送ってもらった。


我が家の勝手口はすでにロールスクリーンをつけていて、そこへさらに網戸を取り付けたい、という条件があって、少し難しい。
ドアクローザーの出っ張りとすでに取り付けられているロールスクリーンの間で、後付け網戸を収めることが出来るのか。
送ってもらったデータと、店頭に並んだ各種網戸の寸法とをにらんで、頭の中で計算する。
ドアクローザーを収納する部分が問題になるのだが、なんとかなりそう、と踏んで「ノーカットロータリー網戸」というのを買う。
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帰宅後早速組み立てに掛かった。
「ノーカット」とは、間口に応じて網の高さを選ぶ仕組みになっていて、網の部分を切らないでいい、という意味である。
取り付けレールについては、この「ノーカット」ということばに「嘘つき!」と悪態をつきたくなるほど切断作業をしなければならない。
5センチ近いサイズで、中に補強壁までついているアルミ材を、付属のかわいい金鋸でまず切断。さらには下のレールも同様。
切断部は縦の柱材の中に隠れるので、切り口が少々汚くなってもさほど気にしなくてよいが、長さについては、長ければはまらないし、短いとガタガタと緩む恐れがあって、ある程度正確さが求められる。
うーん・・・誰でも出来る作業、と言えるのだろうか。結構気合いを入れて材を切る。


切断が山場で、その後の作業は比較的あっさりと進んだ。ドアクローザーより下の部分なので、網戸の取り付けまではロールスクリーンとの干渉を心配する必要もなく、すいすいと組みあがった。


上部レールと間口の上との隙間を埋める部分は、樹脂のパーツを両面テープで貼り合わせる単純なつくりだった。そのままの厚さで組むとロールカーテンと干渉するので、長さだけでなく、厚さも切りそろえて調節する。
Pカッターで切断する工程が、これまたやたら多くて、「誰でも出来る作業なんだろうか」疑惑が再び湧き上がりそうになったが、うまくできた。


ドアをいっぱいに開いて、風を取り入れる。これまでと比べ物にならない風量だ。
台所の横に広がる景色も新鮮でなかなかいい。


2時間近くかかったが、この価格でこれだけのものが出来るのは、この労力分を込みにしているからなのだろう。
ロールスクリーンとの両立を果たし、大変な達成感である。


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