W君との再会

セネガルのキリン



大学時代の友人W君が久しぶりに帰国した、という連絡があった。
セネガルに赴任して3年になるだろうか。その前にはフランスにいたから、彼はもう5年くらい奥さんと小さな子を連れて海外で働いていることになる。
帰国自体が2年ぶりなので、日本に戻ったら戻ったで、W君や奥さんの実家、さらには東京の事務所へと、引き続き国内大旅行を強いられる、なかなか忙しい休暇のようだ。


奥さんの実家から、単身東京の事務所に打ち合わせに行く途中で我が家に立ち寄ってくれた。
たかが数年とはいえ、久しい再会は、おたがいの境遇の変化を改めて実感させる。私の方は結婚して子供もできた。おめでとうと、娘にもちょっと日本にない色遣いのアフリカらしいキリンのぬいぐるみを持ってきてくれた。


セネガルで生まれた男の子の双子はもう遊び盛りのようで、
「外へ連れてけ連れてけ、と大変なんだ。むこうでは、仕事は大変だけど、家のことは奥さんや家政婦さんに頼りきってるから、これはこれで慣れなくてなかなかきついよ。」と嘆いていた。
ひとりでゆっくり寝るのは久しぶりだ、と喜んで泊まってくれた。


すっかり白髪が増えて、向こうでの苦労がしのばれた。
セネガルでの任はそろそろ区切りがつくそうだ。


翌日、元気に再会することを誓って家を出た。


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