県の選手強化合宿


今日は三連休の最終日。
昨晩、静岡の会場から家に帰るのではなく、H田君を草津駅まで送った後、W県から頼まれていた強化合宿の指導に直接向かった。


ブロックの中では弱小のW県であるが、国体の開催が徐々に迫り、強化に向けて動き始めた。
ある意味、なりふりを構わず、近隣県の複数の有力選手に指導を依頼し、合宿や合同練習の計画を立てている。


今回の私の主な仕事は種目の数にも満たない3人の高校生の指導である。
夜に会ったときは、少し幼いかな、という印象だったが、練習が始まってみると様子がぐっと変わる。


3人ともに大枠だけ習って後は「勘」という具合なのだが、部活でもないのに毎週週末や平日の夜に練習に通って撃ちに来る射撃好きというだけあって、自分で使いこなし乗り越えてきた凄みのようなものがある。
ちょっとしたアドバイスにも、(受け取り方が少し的外れだったりすることもあるけれど)真剣に応えようとする様子に、こちらが言葉を選んでしまうくらいであった。


私のところでは、府県単位で「強化事業」と名のつくようなことを全くやらなくなって久しい。合宿や練習会がない。それぞれにクラブチームが選手を育てる文化があった名残なのだが、ごく一部を除けばいまやその文化も弱まり、「府県単位の強化事業をしない」という「名残」だけが残っている。天皇杯2位や3位に入る、他から見れば有力県ではあるが、表の看板の後ろに控える選手層は決して厚くない。ジュニア層に校外から手を差し伸べる機会がなく、長らく低迷が続いているのは、その証の一端であろう。


私と同年輩だったり年長だったりする50m競技の選手の方々の練習ものぞいてみる。
基本的なフォームの組み立てや道具の調整から試行錯誤を繰り返し、悪戦苦闘されている様子が見て取れた。
大まかな原則論の知識と、身体にあったオーソドックスなスタート地点まで導く助けがあるかないかはとても大きい。
特に練習時間の限られる社会人にはそうである。
「指導者」として招かれるようになって数年になるが、そのお手伝いはしっかりとできるようになってきたと思う。


今回は特に運営の仕事に携わっている人の熱意に心温まる思いがした。
W県チームが、最大の目標としている来月のブロック予選で、次は選手として再会することを楽しみにしている。


[fin]