クラブ対抗2日目


今日も出番は昼すぎから。
10m競技に臨む。
仕上げてはいないが、こちらについては準備を全くしていないわけではない。


昨日の立射の問題点には、エアライフルでも少し思い当たるところがあり、それを拡大して見せてもらったように思う。
的−射座方向において頭の位置が射座側に寄っていると繊細なバランスになる傾向がある。かといって、的側に突っ込みすぎるとまた別の問題がある。普段はそちらの問題の方が大きいので、無自覚にそのことばかり注意してしまって昨日のようなことになったのだろう。
ただ、三次元的に「正しい位置になるように」気をつける、というのでは、他のパフォーマンスの流れを崩してしまうので、おのずとそれが解決する新しい身体構造の把握の仕方を工夫しなければならない。


昨日の今日では、いろいろな思いつきを実験することになるので(試合でやるにはもちろん危険で)、これまでどおりでいく、という選択もあったのだが、敢えてやってみることにした。
体幹と頭の複合体を「ハンプティ・ダンプティ」のような楕円球体に感じ取って、それをたわませて銃を挟み込んでいるイメージで構える。アクションとしては胸骨と連動するように頬付けし、あご先の軌跡がその動きのダイレクションを制御する。


一定の効果は感じた。不慣れながら手応えを感じながら序盤を進む。98・98・98。
チークの高さが、これまでより少し余分に必要であることがわかってくる。残念ながら10m競技では競技中に変えられない。いきなりの挑戦なので、体幹を高い精度でこの方法に調整し続けられないことも合わさって、だんだんおかしくなってきた。暑さにもへばって後半に失速。平凡なスコアに終わってしまった。
…無念。


試合も含めて撃てる機会をすべて模索に使ってしまっているようでは、団体戦はままならない。
主将としての自分をふがいなく思いながら、H田君とひっそりと会場を去った。


[fin]